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2018年首都圏中学入試 生徒募集動向を考える(17) 今年も聖学院の教育価値に注目!

☆前回の【メモ】で、interbeingとしてのグローバルシチズンの育成について言及して、facebookのタイムラインに載せていたら、AO入試や新しいキャリアデザインの第一人者神崎先生と聖学院の伊藤先生、内田先生がコメントスペースで根源に立ち還る対話をしていた。
 
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☆聖学院は、毎年、年末、タイ研修を実施。もう30年も前から実施している。タイ北部チェンライ県(バンコクから北に800キロ)にある「メーコックファーム」という孤児院を、前校長の戸邉先生が創設にかかわって以来、ずっと継承されている。
 
☆特に伊藤先生は、もう10年くらい毎年生徒と訪れている。現地の少数民族の子供たちとの交流や社会奉仕活動を行う。子供たちと寝食を共にしながら、“言葉の壁”を越え、人間の存在の痛みを共有する。しかし、その痛みは、辛さや苦しさといった現代日本社会の純粋不満とは少し様相が違う。
 
☆どんなに辛くても、厳しいはずの環境の中にいても、屈託のない子供たちの笑顔に接し、生徒たちは、心をゆさぶぶられる。そして彼らは一定の年齢になったらメーコックファームを去らねばならないが、その先に希望が待っているわけではない。
 
☆グローバル世界の暗鬱としたゆがみをどうすることもできない自分たちに生徒たちはおののき、これではいけない、何かしなくてはならないと根源的な人類のはるか昔のあの洞窟の中から光を放っている灯を内なる光源として受けとめる。
 
☆サーバントリーダーシップとは毎朝の礼拝で学んではいるが、知識としてしか学んでいなかったかもしれないと自分に打ちひしがれる。
 
☆生きるということと考えるということ。生きるということと感じるということ。本当の孤独とは何なのか、にもかかわらず自己沈潜して根源に自らがたどっていくしかない。interbeingとしての孤独を感じるのだろう。
 
☆しかし、やはりそれは仲間といっしょだったし、師と共に感じたのだ。その自分たちのかけがえのない幸せに、まるで青い鳥でも見つけたように涙し震えるのだ。
 
☆聖学院は、PBL型授業で認知スキルのみならず、この非認知スキルもルーブリックを意識して身に着けられるようにデザインされている。
 
☆しかし、自分たちの今までの経験を強烈に超えてしまう感情に包まれる世界は、タイ研修のような他校に類例のないプログラムがなければ気づかないだろう。
 
☆伊藤先生や内田先生、そして神崎先生は、それでもなおプログラムの質の向上について対話する。
 
☆しかし、そのような対話ができることこそが、現代社会においては、奇跡だと私は思う。
 
☆生徒はinterbeingとしてかけがえのない互いの存在価値を感じるのだ。もともとプロテスタンティズムは、近代国家以前の市民革命の1つだ。日本にはこのような市民社会形成期がないと言われている。
 
☆しかし、当時生まれたbeingとしてのシチズンシップから、近代国家の終焉時に出現したinterbeingとしてのグローバルシチズンシップにシフトするいまここで、私たちは新たなグローバル市民社会の形成に立ち会うことができる。グローバル教育の再定義をするときが来たのだ。
 
☆それを伊藤先生と神崎先生、内田先生との対話は、気づかせてくれたのだ。

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