2018年首都圏中学入試(22) 神奈川エリアで静かに起こっていること。聖セシリアがカギを握る。(1)
☆千葉、埼玉の両エリアの中学入試は勢いがあるが、神奈川エリアはその風が吹いていないかのように見える。東京は、本日20日が出願だったが、土曜日ということもあり、またインターネット出願ということもあって、全貌が見えるのはもう少し時間がかかるが、風は吹くだろう。
☆しかし、神奈川エリアにも静かな波が生まれている。たしかに、フェリス、横浜雙葉、横浜共立、湘南白百合の出願は締め切られ、軒並み前年対比100%を割った。
☆女子校で勢いがあるのは、横浜女学院と北鎌倉女子。男子校だと栄光が、隔年現象で、微増。共学校だと青山学院横浜英和が好調といったところだ。
☆かくして、神奈川エのリアの中学入試は低迷しているが、上記の応募者減の学校と応募者増の学校を比較対照すれば、進学重視だけでは閉塞状況に陥り、革新性はそこを突破しているという流れが、はっきり形となって見えてきたといえるのではないだろうか。
☆奇しくも、全国展開をしている転職エージェントサービス会社DODAの"未来を変える"プロジェクトのサイトで、聖光学院の工藤校長のインタビュー記事が、つい先日1月18日にアップされてた。
☆タイトルは、「東大合格者3倍、起業家輩出ーー次世代リーダー輩出校「聖光学院」の育て方」で、やはり進学重視の教育の話かと思ったが、昨年、ある会合で、工藤校長と少し会話をかわしたときに、何かが違うと感じたので、気になって読んでみた。
☆すると、2016年に日本経済新聞で語っていた内容とはガラリと違っているではないか。そのときは、進学重視にならざるを得ない戦略的な話が前面にでていたのだが、今回は違った。
☆工藤校長自身、「聖光学院も世間的に見れば、「進学校」かもしれません」と、進学を重視る教育について語ったことは本意ではなかったことをほのめかしながら語っている。
☆しかし、大事なことは、聖光学院が、「脱・進学校」「生徒を学校に縛らない」「開かれた学校作り」という3つの軸で学校改革を推進してきた革新性を前面に出す戦略的表現に大きく舵をきったことだ。
☆もともと、この路線で走ってきたのだが、まずは前面には東大の数を出すことを唱え、十分に出るまでは、改革を進めていても表現としては背景にしまっておいたのだろう。
☆ところが、東大の結果がいよいよ十分なところまできて、持続可能性が見えてきた段階で、図と地を反転させ、革新性を前面に出して表現することにしたのであろう。
☆これによって、神奈川は、このような革新性と進学教育の二兎を追うか、聖光学院のように統合させようとするか、いずれかの学校が選ばれることになり、ただ進学教育だけを行っているところは、選ばれなくなる時代が到来した。
☆神奈川エリアに接している二子玉川に楽天が本社を移転してきたり、ICT関連企業が集積し始めている神奈川エリアに革新性をよしとする価値観をもった世代が増え始めているということもあるのかもしれない。
☆神奈川エリアで、帰国生入試が成り立っているということは、そういうことを示唆しているだろう。帰国生の家庭はグローバルな企業にかかわっているため、そうならざるを得ないのだ。
☆そして、そのようなグローバルな時代の波を無視することはできないのであり、学校だけ影響がないということはもはやない。グローバル時代は階層構造をゆさぶるから、安穏としていると、危うい。工藤校長はさすがにそこは目利きである。教育の本質でようやく戦える時が来たと読んだのだろう。
☆そうすると、2019年以降は、この革新的な動きにすぐに転じることができる学校が、横浜女学院や北鎌倉女子のように、受験生・保護者に選ばれる学校ということになる。
☆すぐにも注目を浴びる学校は聖セシリアということになろう。というのも、この革新性とは、実はICT教育のことを意味しているのではなく、非認知的能力を育成する革新的教育のことを示唆しいるからなのだ。(つづく)
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