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2018年首都圏中学入試(24) 神奈川エリアで静かに起こっていること。聖セシリアがカギを握る。(2)

☆「進学力か革新力か」から「進学力と革新力の二兎を追うか、進学力と革新力を統合するか」という選択肢に、神奈川エリアもいよいよシフトする時代がやってきたわけだが、そのとき、聖セシリアがモデル校として注目を浴びる可能性が大だと前回述べた。
【グラフ】
 
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☆というのは、進学力というのは、学力を意味し、革新力とは、学力以外の能力のことを意味するのだが、聖セシリアは、二兎を追うというより、統合する教育プログラムを形成してきたからだ。
 
☆ただ、学力にも力を注いできたが、東大でなければならないという考え方はしていなかったから、学力面の充実度が外からはよく見えなかった事情がある。今ままでの受験情報メディアは、学力をどのように形成していくか、その教育プログラムに興味はもたなかった。結果の数字だけを追跡しただけだった。
 
☆しかし、世界大学ランキングが日本学歴階層構造をゆさぶるようになった。2018年問題もそれに拍車をかけ、実際に、明治大学や近畿大学、東洋大学などが、MARCHを乗り越えるような勢いになってきた。おまけに、AI社会到来が、工学系の大学に人気を集め、豊田自動車工業大学や芝浦工大も世界大学ランキング1000位以内にはいるようになった。工学院大学も、1000位に近いところにまで接近している。
 
☆結果だけで進学力をみる時代はどうやら終わりかけている。
 
☆そして、2020年大学入試改革は、eポートフォリオで騒がれているように、学びの履歴を必要とする時代になるわけだから、よけい、進学結果のみならず、その学びの過程をどのようにみていくのか、メディアも学び始めている。このところ、盛んに、思考力入試や英語入試の中身についてテレビや新聞で報道されているのもその一環である。
 
☆そうなってくると、音楽の守護聖人聖セシリアの精神を大切にする同校も注目を浴びないわけにはいかなくなるだろう。
 
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☆進学力と革新力は、昨今流行りの言葉で置き換えれば、認知的能力と非認知的能力となる。前者は知識の記憶力・再現力や応用力・論理力。後者は人間関係形成力、モチベーションをあげる能力、やり切る力、感性の能力など、クリティカルシンキングやクリエイティブシンキングも含み、以前のようなペーパーテストでは測れない力のことである。
☆かつて、思考力と言ったら、認知的能力に制限されてきたが、今や非認知的能力も含む、本来的な思考力の認識が広まて来たのである。
 
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☆聖セシリアは、音楽や美術など五感を研ぎ澄ます教育活動が多い。キャンパス内にアートの雰囲気があふれている。そして肝心なことは、そのことがキャリアデザインやグローバル教育にも生かされているということなのだ。
 
☆同校のキャリアデザインは、進路先教育ではなく、生き方教育そのものなのだが、実は、その生きる力を生み出す、Growth Mindsetの内なる灯火の光を生み出すエンカウンタープログラムをきちんと創り上げてきている。
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☆非認知的能力は、多くの体験を重ねるだけでは、すべての生徒が身に着けられるというわけではない。マインドセットのプログラムがまずないことには、気づく生徒は気づくが、気づかない生徒はああおもしろかったで終わってしまう。
 
☆その点、聖セシリアは、生徒全員がGrowth Mindsetできるようにプログラムを積み重ねてきた。その結果、すでに、非常に満足度の高い学校なのである。同校は、アンケートをとって、【グラフ】のようにエビデンスをとってもいる。
 
☆また、グローバル教育も、イングリッシュキャンプなどで、五感を通して英語を学ぶプログラムも作成している。もちろん、これは近い将来、英語4技能にも結びつくが、その前に言葉の本質を体感する重要なリベラルアーツプログラムでもある。
 
☆ある意味、ここには哲学的発想が盛り込まれているとも推察できる。したがって、認知的能力と非認知的能力を統合するリベラルアーツの現代化=哲学×STEAM教育を、以前から積み上げてきたと推察できる。
 
☆今後、2020年大学入試改革が迫ってくれば、聖セシリアも、生徒全員が英検2級(B1:CEFR基準)をとれるようにクオリティを上げざるを得なくなる。しかし、準2級までは全員がクリアできる状況であるから、その方向性はそんなに難しいことではない。
 
☆そうなると、進学力が結果としても現れてくる。そのとき進学力と革新力を統合する学校として、際立ってくることは間違いない。
 
☆今、神奈川エリアで、先行的に進学力と革新力を統合できるのは、女子校では、聖セシリア。男子校では、聖光学院、共学校ではいまのところない。
 
☆進学力を重視する学校から、進学力と革新力の二兎を追う学校に注目を浴びるようにシフトしてきたと同時に、進学力と革新力を統合する学校が、真に求められる時代が、そこまでやってきている。聖光学院はできて当たり前だが、聖セシリアがそれを果たせるということに中学入試マーケットが気づいたらどうなるだろう。
 
☆フェリス、横浜雙葉、横浜共立、湘南白百合を信じているマーケットは、そんことは馬鹿げていると相変わらず反応するだろう。しかし、横浜女学院が、そのような古いものの見方や固定観念を突き崩している。
 
☆マーケットの原理から言って、革新力を欲しないわけがない。だとすると、マーケットは必ず動く。しかも、さらに先鋭的な革新力を求めることになる。そのとき、聖セシリアが注目を浴びることになるだろう。
 
☆しかし、大事なことは、マーケットが欲する価値観の転換を聖セシリアが創造することになるということなのだ。マーケットのアンヴィバレンツの逆手をとる大転換。そのカギを握っているのは聖セシリアである。
 

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