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2018年首都圏中学入試(36) アサンプション国際中高 21世紀型教育改革2年目さらに人気さく裂。

☆2018年、アサンプション国際中高は、共学化、校名変更、21世紀型教育改革を断行して2年目。出願及び手続きは中高とも前年対比180%。
 
☆共学化、校名変更は、1年目には有効だが、2年目以降は、やはり教育の質の向上を継続し、進学実績も出しているということを発信し続けなくてはならないが、その努力を江川校長は先生方と一丸となって押しすすめ、新しい組織作りの手腕を見せつけた。
 
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☆江川校長の経営と教育の手腕は、自己変容型知性の組織に成長させる極めて高度なテクニックを実施したことによる。
 
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☆英語の教師だったということが、おそらく他にない独自の大胆できめ細かい戦略を遂行できたのではないか。
 
☆21世紀型教育改革とは、高い認知的能力と心をゆさぶる非認知的能力をもったグローバル市民を育てる妙技である。そのためには、C1英語とPBL、ICT、リベラルアーツの現代化が欠かせないのだが、それらは、あくまで21世紀型教育のアプリケーションである。man for othersを育み、実践し、どこまでもやり抜く力を育てる教育こそOSなのである。
 
☆江川校長は、このOSのバージョンアップから着手した。英語ばかりか数学や理科までイマージョン教育を導入することで、外国人教師と日本人教師の競争的共在という人間関係を仮設した。しかし、それはもちろん本意ではなく、その葛藤を乗り越えたときに生まれる協奏的共在をマインドセットすることである。そして、紆余曲折はあっただろうが、それは成功したのだと思う。
 
☆英語ができるから、外国人教師と深い話や文化的な深層に行きつく対話ができる。そこに立ち会った日本人教師も刺激を受ける。
 
☆外国人教師は英語やフランス語ができるだけではなくPBLもできる教師を採用し、どんどん仲間となっていく。
 
☆彼らは、授業のフィードバックを求めるときに、称えただけでは納得しない。であれば、パーフェクトなのかと逆に質問してくる。生徒に問いを投げかけておきながら、リアルなフィードバックをしなかったのは、生徒の自己変容の機会損失ではないかと回答すると、目を輝かして、感謝して去っていくそうだ。
 
☆彼らは、自らが変容するフィードバックを欲していたのだ。そういう雰囲気は、日本人の教師の心をゆさぶる感染力がある。
 
☆探究科のプログラムが、生徒の自己変容知性を開発していく独自のものとして試行錯誤が繰り返されるようになった。
 
☆学校説明会に訪れた受験生や保護者は、好奇心と探究の宇宙の中にいるかのような気分を実感するのだ。それゆえ、ここで学びたいと思う。
 
☆しかも、ここで努力すれば、関西学院大学などと連携しているから、将来の見通しも立つ。もちろん、選択肢は自分次第だ。
 
☆長期留学や短期留学などのプログラムもどんどん創っている。
 
☆そして、江川校長は、画竜点睛を欠かないために、各教科の授業がPBLで展開できるようにプロジェクトチームを形成した。副校長と二人三脚で、決してトップダウンではなく、ボトムアップを大切にする丁寧な組織づくり。そのテンポは序破急。側から見ているとハラハラする。間に合うのかと。プロジェクトチームのメンバーもどこを歩いていくのか不安になる。
 
☆しかし、江川校長は、その「不安」が出てきたとき、いよいよ動くタイミングだと直感する。プロジェクトチームのミーティングは幾たびか、わからないというトリプル???の渦にみんなが巻き込まれていくU理論さながらの心境になる。不安が生まれ、気づきが生まれる時間が大切なのだ。
 
☆もちろん、先生方がやり抜くセンスがなければ、逃げ出しただろうが、今のアサンプション国際中高全体の雰囲気が逃げ出すのではなく、挑戦する雰囲気なのだ。逃と挑では、似て非なる意志である。
 
☆江川校長は、生徒と行う校長哲学教室よろしく、輪になって語り出す。
 
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☆アサンプション国際のPBLとは何か?はじめて話す内容ではない。しかし、一枚のPPTに整理して語る。不安が徐々に解消していく感情が共有されていく。
 
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☆今までも話していたのに、不安は募る一方だった。しかし、今回は違った。なぜかというと、プロジェクトチームのPBLの授業を見にいって、それをフローチャート化して、一つひとつ気づきを出し合っていくワークショップをやっていきながらだから、抽象的な話も、高感度なイメージを引き寄せるアンテナに変容していったからだった。
 
 
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☆フローチャートに基づいて授業を見学して、そのあとの振り返りで、思考コードで、生徒がどこまで思考できたのか、そのときどんな思考のスキル使ったのか、シェアするワークショップ。
 
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☆そのとき生徒は、ペアだったのかディスカッションをしていたのか、タブレットをどう使っていたのか振り返る。授業を実施している教師自身は、暗黙知で自然に行っているjことも、モニタリングを行うと、気づきが起こる。
 
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☆その気づいたことを可視化しシェアすることで、互いの授業にも生かされる。思考コードは、江川校長が、カトリック思考コードを活用してみることをアドバイス。おそらく今までなら、この思考コードがなんであるかわからないと即答してきただろうが、もはや、自分たちも思考コードを使って分析するようになっている。
 
☆アサンプション流儀のPBLのフレームと思考の深さの領域の範囲がシェアされることによって、議論が進化/深化していくようになった。
 
☆3月までは、さらに次のステージにジャンプする。そして、その後、PBLの全体共有の研修を行っていく準備をするところまで行った。
 
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☆同時進行で、入試も行われていた。いまここでの仕事を遂行しながら、同時に未来も考えられる組織。ピラミッド型の組織でもフラットな組織でもこうはいかない。かつては、ピラミッド型組織は当然だと経営陣は頑なに信じていただろう。教師側は、フラット組織の重要性を主張しただろう。
 
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☆しかし、そのどちらも統合できる組織でなければ、経営と教育はうまく回らない。ピラミッド型リーダーとフラット型リーダーは、違うことが多い。しかし、それだと相手の想いを受け入れることができない。そのリーダーの役割を江川校長が一人で担った。だからこそ、はじめて統合できるのだが、同時にそのような組織は実際には今までなかった。したがって、江川校長は奇跡を起こせたのだ。
 
☆もちろん、21世紀型教育機構の副理事長でもあるアサンプション国際の高橋副理事長・学院長のストレスとサポートとの適度な緊張感に江川先生が謙虚に応戦し、粘り強く対話をしてきたということが、成功の大きな要因であるかもしれない。
 
☆つまり、21世紀型教育機構の理事である私も含め、多くのネットワークをサポートファクターにシフトしてしまう江川校長の人間関係形成力こそが極めて重要なのではあるまいか。
 

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