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2018年首都圏中学入試(38) 日本工業大学駒場の革新力

☆2018年1月27日現在で、日本工業大学駒場の中学入試出願総数は前年対比101.5%(現在344人、昨年339人:首都圏模試センター倍率速報による)。総数の倍率としては9倍くらいあるとよいのだが、そこまではいっていなから、当局としては、もっともっとという心境だろうが、前年対比が100%を超えたところに、重要な意味があると思う。
 
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☆上記図は、同校のサイトにあるキャリア教育のコンセプト図だ。コミュニケーション能力と問題解決能力というどちらも認知的能力と非認知的能力を要する知のシステムが、自己肯定感をエネルギーに志のビジョンに向かって飛行する宇宙船のようなイメージ図だ。
 
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☆ところが、実におもしろいのは、同校のサイトを開くといきなり「進学型の中高一貫校に変わりました」と出てくる。進学力を前面に出す学校になるのだろうかと思い、調べてみると、どうやら戦略的にこの表現をとったようだ。
 
☆実は同校には、潜在的進学力はすでにある。しかし、今まで市場はそこに反応してこなかった。というか気づいていなかった。ならば、お望み通り難関校に進学させようではないかとプロジェクト的な戦略発想で表現したのだろう。
 
☆カナダにある大学と提携しているから、海外大学の進学のノウハウもすでにもっている。それゆえ、4技能英語教育も、実はすでに充実している。生徒の英語でドラマエデュケーションよろしくさく裂したパフォーマンスは実に痛快だ。
 
☆数々のプロジェクトチームが立ち上がり、上からの改革というよりも、教師どうしのブレスト的対話の中からいろいろなプログラムが誕生している。
 
☆デザインシンキングのプログラム、タブレット活用型PBL授業、生徒がアウトプットを論文、アート、パフォーマンスなど多様な表現で伸び伸びと行っていくプログラムが学内に満ちている。
 
☆学びの活動の中で、自分と仲間が共に上昇気流に乗って飛行する自分を心身で思い切り感じながら生活しているのではないか。
 
☆つまり、日本工業大学駒場は、すでに進学力と革新力は、統合され、AI社会に対応できる言語能力、理数的思考力、創造的思考力、サーバントリーダーシップなどを身に着ける環境ができている。
 
☆だから、世にいう難関大学に進学させるプログラムを加えることぐらい何も問題ないのだ。生徒獲得戦略として、それが必要ならば躊躇することなくやろうじゃないかということだろう。
 
☆しかし、結局入学してきた生徒は、難関大学に入ることが第一義的な目標でないということはすぐに了解するだろう。自分たちの志は、その程度のものではないと。未来を創るのに難関大学入学だけでは何もお墨付きなど付与してくれない。大事なことは自分次第なのだということと同じ志の仲間との絆なのだと。
 
☆もちろん、その大きな志のために、進むべき大学が難関大学だったということはあり得る。志を実現するために、そこが通過しなければ関門の1つであるならば、挑戦しないわけにはいかないと。
 
☆生徒一人一人が、宇宙に自分の生き様の軌跡を描ける学校だろう。

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