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2018年首都圏中学入試(39) 安田学園の野望

☆2018年1月27日現在、安田学園の中学入試の出願状況は好調。出願総数の前年対比は、119.0%。現在1169人、昨年982人が出願。総数の倍率は、9.7倍だから定員確保も大丈夫だろう。
 
☆安田学園といえば、安田善次郎が創設者。近代日本の金融と産業をまさに創造した実業家であり、私学人でもある。浅野総一郎をサポートして京浜工業地帯の土台も築いた。渋沢栄一とともに創造的資本主義を築こうとした。
 
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(図は同校サイトから)
 
☆だがしかし、20世紀の日本の政治経済は、世界を席巻する強欲資本主義に傾倒してしまった点は否めない。日本の近代国家を風姿花伝と大名庭園の発想に基づいて形成しようとした善次郎翁の夢は、いまだ実現していない。
 
☆もしこの夢を実現しようとしたら、20世紀の強欲資本主義を支える人材を育成した20世紀型教育は転換しなければならない。20世紀の政治経済を支えた人材は、優秀な環境順応型知性の持ち主だった。
 
☆しかし、創造的資本主義=道徳経済合一資本主義の理想を実現するには、自己変容型知性をもったグローバル人材を育成する必要があるだろう。
 
☆おそらく、そのことを前面には出していないが、随所に安田善次郎の精神を表現する安田学園は、善次郎翁の理想を現実のものにしようという意志があるに違いない。それゆ自学創造をコアに革新的な教育エンジンが回転し、その中の一つとして進学力が溶け込んでいる。
 
 
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(図は同校サイトから)
 
☆進学力は、年々パワフルになっているが、安田学園は進学力と革新力の二兎を追う学校ではなく、両極の統合ベクトルを創り出すことに成功した学校の1つだろう。
 
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☆それは、創造的思考を養う探究プログラムのシステムを見ればわかる。
 
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☆探究プログラムによって生徒の自己変容過程が想定されていて、その過程を「自学創造/疑問⇒仮説⇒検証の循環」が貫いていくというシステムになっているのである。
 
☆認知的能力と非認知的能力を統合したシステム思考が、6年間あらゆる局面で回転しているのである。
 
☆教科書を超えて世界の問題を引き受ける創造的問題解決能力が、自ずと進学力をパワーアップしてくのは自然な流れである。

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