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2018年首都圏中学入試(8)帰国生が見抜いた今後伸びる学校

☆途中集計(とはいえほぼ締め切られている)だが、首都圏模試センターの倍率速報から帰国生入試の応募者数を抽出し、前年対比を出してみた。八雲学園、穎明館は新設なので、この表にはないが、八雲9人、穎明館12人も集めている。三田国際、渋谷教育学園渋谷はまだ未公開だが、相当集まっているだろう。
 
☆このラインナップは、従来の偏差値表とは全く違うランキングになっている。ここに2018年の大きなウネリがある。
 
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☆この一覧の延べ数は、2018年が3,534人、2017年が31,55人で、前年対比112.0%。帰国生市場は確実に大きくなっている。英語入試、新タイプ入試と合わせると、15,000人規模の市場が出来上がっている。(数字の集計に誤りがあったので、訂正しました。)
 
☆上記の一覧にある学校は、この新市場に果敢に挑戦している学校。そして、前年対比増の学校は、帰国生が高く評価している学校である。
 
☆帰国生のタイプには、2つに分かれる。偏差値を気にせず、海外の現地校やインターナショナルスクールに相当する自由で革新的な学びの環境があるところに価値志向を有するタイプ。もう一つは、偏差値の高い学校。
 
☆この判断は極めてドライいやクール。
 
☆だから、共立女子のように、伝統校で偏差値も高く、なおかつ2,000人規模の女子校なのに、全員がICTを使える環境で、全員がB2英語を狙える環境にあるという破格の英語教育環境があるので、大人気ということになる。
 
☆これが、大妻との大きな違いとなった。共立と大妻はいつもだいたい同じように対峙していたが、共立は伝統と革新の二兎を追い、大妻は従来通り伝統を守ってきた。
 
☆ここにきて、帰国生はその差をはっきりと見抜いたのである。
 
☆来春は、大妻もまた巻き返すことだろう。かくして、帰国生の目は、本当の意味でのグローバル教育を見抜けるのである。
 
☆こればかりは、日本国内から世界を見てグローバル教育をああだこうだ批判しても、あまり信ぴょう性はない。やはり世界から見て日本のグローバル教育を評価することが市場におけるニーズを引き出すということになるだろう。
 
☆こういうと、グローバルというのは、格差社会を生むという批判がでる。そのような一面はたしかにある。しかし、グローバルに限らず、国内でもそれは同じで、格差を生む強欲グローバル経済もあれば、格差をなくそうとするグローバル市民の活躍もあるのだ。
 
☆私立学校において、もし<私学の系譜>の継承者だとコミットするならば、本当の意味でのグローバル市民を育成する教育を開発するだろう。このグローバル市民の本当の意味は、市民社会を形成してこなかった日本から見ていたのではなかなか理解できない。やはり世界で生きてきた日本人、ここでは帰国生の目を素直に受け入れるところから始めたほうがよいのである。
 
☆したがって、帰国生を含む英語入試や新タイプ入試は、国内の中での学力や思考力の判断を超えて、世界標準の学力や思考力とは何かを改めて求めて実施されるようになっていくはずだ。
 

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