2018年のinterbeingの波 小さきUチームの響きが広がる。
☆すでに7年前から、多様なUチームが始動していた。それぞれは、これまで、互いにその活動をよく知らなかった。しかし、彼らめいめい、この7年間で、ある根源的な局面にたどりついた。その局面に到達するや、偶然的必然であるが、彼らは同じ呼吸のリズムで息づいていることに共感共鳴共振した。目には見えないが確かに≪響き≫としてつながっていたし、これからもつながっていくという根源的確信を感じた。
☆これがUチームとしての個人である。彼らをinterbeingとでも呼んでおこう。存在は、それ自体では、世界を見ることはできない。それゆえ、個人化社会における個人は、世界なき世界観をベースに揺れ動く。そして、その不安と恐怖から逃れるために、より自分軸主導型知性を発揮しようと努力して、疲弊し、あるものは高ストレスの圧力に押し潰されてしまう。
☆たしかに、組織の中の歯車として適応していくより、組織の中であるポジショニングを得て承認されることは遣り甲斐があるだろう。そのために自分軸主導型知性を発揮するのはわかるが、いつの間にか、組織を超える自分軸主導型知性が個人化社会を形成してしまった。もはやポストモダンではなく、ポスト・ポストモダンである。
☆徹底的な個人化社会。しかし、そこでは、個人はいついかなるとき承認欲求を破棄されるかわからない不安と恐怖から逃れることはできない。それゆえ、必死にネットワークを拡大する。しかしながら、清らかな根源的な息吹を呼吸しているネットワークではないから、承認する側にばかりまわって、承認される側にまわっていないような不安と恐怖に駆り立てられる。お互いに。
☆承認欲求は過剰に増大し、ネットワークは高ストレスの渦を巻き始める。そのストレスの原因や責任をめぐって、不平不満は爆発する。純粋不満。だれもそれを満たすことはできない純粋不満。純粋不満を前提としたロジカルシンキングは手の付けようがない。いちいちごもっともだからだ。しかし、ロジカルシンキングでは解決ができない。純粋不満を、解決できるのは、自分しかいないからである。
☆近代社会は純粋理性の横暴からどう脱却するか考えるところから始まった。そしてポストモダンは、純粋欲求の肥大を戦争と自然の猛威の反省の瞬間に抑え込む手立てを考案したものの、それは、どうしても世界を失った世界観を払しょくする十分な時間がもてなかった。
☆すぐに純粋不満が頭をもたげてポスト・ポストモダンという怪物を造り出してしまった。承認欲求の過剰なもたれあいと当然近代の原理を描いたシェークスピアのあのアンビバレンツがいたるところにさく裂した。つまり、純粋不満を抱いた個人化社会へと。
☆しかしながら、アンビバレンツにはパラドクスはつきものである。だからこそ、根源の局面に降りていこうという意識が芽生えたチームがあちこちで生まれたのである。
☆彼らは、常にはじめから二人三脚で活動していた。interbeingとしての個人であることで、そこには世界が顔を出すという感動を素直に受け入れられたのだ。
☆したがって、そこには自分軸主導という存在概念は消えてなくなっていた。リスボン大地震の時、儒教も仏教も啓蒙思想もそれぞれ生まれた時代も環境も違うのに、響きを共感共鳴共振させたように、今再びその響きを奏でるinterbeongとしての個人が現れたのだ。
☆その出来は、あの疾風怒濤の時代と思春期を内面に響かせながら成長していく姿さながらである。interbeingの個体発生と系統発生は交差する。それはU理論とUtopiaの交差局面でもある。
☆3年前に出発したUチームの仲間から昨年12月31日一報がはいった。それは実験的なクラスで、Uクラスともいうべきチームなのだが、3年間ことあるたびに、センシングを行いながらプレゼンシングに行きつき、そこで見出した根源的なinterbeingとしての自分の価値を実現できるutopiaを創発し、そこに向かって自ら歩んでいく個人を互いにサポートし合うチームである。ある成果があがったというのだ。嬉しいではないか。
(interbeingは、根源であるSourceを汲み取る局面の連続関数方程式である。それゆえ、世界として現れるのは、点を見つめる自分軸では現れてこない。)
☆承認欲求を払しょくしたうえで、互いをリスペクトする。リスペクトして欲しいという純粋不満はない。リスペクトし合っているinterbeongなのであるから、そこに純粋不満はないのだ。
☆とはいえ、純粋理性や純粋欲求、純粋不満はがん細胞と同じである。interbeing免疫が弱くなった時、健全な細胞が変異して現れるのである。まして、Uチームの周りが、純粋不満の組織だったとしたらどうだろう。
☆interbingと純粋理性・欲求・不満との境界戦は、かなりの高ストレス地帯だと思う。そんなとき、外部Uチームがかけつける。瞬間ではあるが、息吹を共感共鳴共振する仲間がこちらにもいることをシェアできた時、越境しようという勇気が生まれてくる。
☆2018年、このUチームの越境による勇気が随所で起こる。内村鑑三の「後世への最大遺物」で語られている人類の最大の遺産。それは勇ましい高尚なる生涯を生きるキャリア形成にある。
☆おそらく、純粋欲求と純粋不満を満たすものは何かというニーズを追っているメディアのアンテナにはひっかかることがない誰もがアクションを起こすことができる「勇ましい高尚なる存在としての生き様」というキャリア教育。Uチームはこの根源的なinterbeingの響きを内面で奏でながら、響きを共有できる仲間を増やしていく。それぞれに自分の価値というUtopiaを現実のものにする勇ましく高尚なる生き様を貫く(つまり成長する)仲間をどんどん生み出していくだろう。
☆Uチームの目標や目的はなにか?って。各人が勇ましく高尚なる生きる様の過程そのもの。それぞれがinterbeingとしてこれを全うすれば、大きな目標や目的は自ずと生まれてくる。学歴社会や塾歴社会のような目標の仮設工事を建設事業だと幻想を抱く純粋理性・欲求・不満の時代から越境するinterbeingの時代が始まる。
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