【メモ】市場変化の過程で学校内で起こること
☆実は、この外部環境の変化で、無視できないことがある。それは個人化社会の急速な進行である。
☆これは、今まで階層構造の中で抑えられてきた個人個人の発想や自己実現欲求が一挙に解放される時代を示唆し、希望の部分もあるが、自分軸主導知性であるから、衝突や葛藤の多様化が生まれる。その欲求は微分化されるから、学校で発症した場合、教師の気づきがおいつかないことが頻発する。
☆すると、生徒は、自分のことが分かってもらえないとか、教師もまた理解を示しているのになぜ受け入れてもらえないのだろうということになり、コミュニケーションをとればとるほど互いの理解の溝が深まるという事態が、今まで以上に多くなる。
☆ウェブ3.0がデバイスのシフトだけだとすると、このような純粋不満が膨れ上がり、やがては怪物と化して世界を席巻するだろう。
☆それゆえ、グローバルシチズンとしてこの純粋不満の怪物化を未然に防がなければならない。すでに、多くの学校で、このことは起こっていて、担任の先生だけでは対応できない状態になっている可能性が高い。
☆「いじめ」とか「校内暴力」とか「学級崩壊」とか「クレーム」とか呼ばれてきた状況は、その純粋不満が生まれる兆しだったのかもしれない。対処療法で放置しておけば、たいへんなことになる。
☆カリキュラムマネジメントで重要なことは、もちろん認知スキルの充実であるが、そのスキルと非認知スキルが統合されるマネジメントが必要である。非認知スキルというのは共感スキルが代表的。
☆それは、実はコトが起きてから修復するためのコミュニケーションではなく、その前に、共通体験を通して、共感スキルを鍛えておく必要がある。
☆根源的な深い思いを互いに共有できるスキル。それはU理論にヒントがあるし、ユートピアという夢を共有することも必要だ。しかしながら、ユートピアの実現はこれまたものすごい気概ややり切る力が必要だし、夢はそのまま現実でかなえられるわけではなく、自分軸がゆらぐこともある。
☆それゆえ、自分軸ではなく、相互に共通する第三の軸を見つけ合ったり創り合ったりする必要がある。クリティカルシンキングやクリエイティブシンキングという認知スキルが非認知スキルと結合する瞬間がこれだ。
☆Growth Mindsetの状態=共感できる状態=クリティカル&クリエイティブシンキングが発動できる状態になるには、個人は相互存在=interbeingとして生き、キャリア形成をデザインしていく必要がある。
☆そこに行くまで、interbeingが空洞化している個人が、純粋不満を沸かせまくる。おそらく思春期の時期にこの純粋不満沸騰の最前線に立つのが学校の教師である。
☆今までのように、担任や学年で情報を共有したり面談で対応しているだけでは、純粋不満が消滅することはない。むしろ、そのことがなぜ自分のことがわかってくれないのだという引き金になってしまうというパラドクスが頻発するだろう。
☆しかしながら、怪物はどこかにいるのではなく、1人ひとりの人間の中にいる。発症するかしないかの問題だ。
☆近代のパラドクスは階層構造におけるアンヴィバレンツだった。そして、現代の近代化路線は、アンヴィバレンツの微分化が広がっているのだ。近代化の再定義も必要だ。
☆しかしながら、このアンヴィバレンツがイノベーションを生むことも確かだ。怪物を生むかイノベーションを生むか。その分岐点が、2018年でもある。
☆シリコンバレーでマインドフルネスが流行っているというのは、この怪物が出現しているからだろう。自分がその怪物にならないように、互いに根源の局面まで下りていく、共感の息吹を吸う希望への心の旅。
☆interbeingとしてのコミュニケーションがとれるように、オリエンテーションを行ったり、保護者会を開いたり、面談をしたり、授業の中にディスカッションを取り入れたりするのだが、もしinterubeingが空洞化している個人のまま、これらを行ったら、純粋不満の怪物が発症する。
☆人間存在の再定義という根源的な局面に、生徒共に降りていくことができるか。手法だけでは、これができない。AI社会の恐ろしさは、人間の内なる怪物の異常発症を引き起こすことだ。
☆AIがこの異常発症を防ぐプログラミングをしなくてはならないが、そのプログラミングは、人間存在の再定義である。グローバルシチズンシップの意味は、この人間存在の再定義にこそあるのかもしれない。
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