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【メモ】進学力と革新力を統合する学びは、ここから始まった!

☆2015年、かえつ有明の高校1年生の新設プロジェクトクラスから、すべては始まった。クラス担任は、金井先生。そのサポーターとして佐野先生が寄り添っていた。
 
☆進路先の数値目標なんて不要。U理論によって、生徒自身のbeingが自己変容できる知性が成長していけば、彼ら自身が自分で進路を見出し、その実現のために選んだ大学に入るために、自ら戦略を立てて、チャレンジしていく。金井先生と佐野先生は、とにかく目標を押し付けるのは断固拒否した。
 
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(今年卒業するプロジェクトクラスの一期生。高1のときの在りし日のアクティブラーニング。初々しい。懐かしいなあ。)
 
☆NVCとU理論ベースの対話を教師と生徒は続けたし、生徒同士もそうした。3か月くらいで、対話は、互いに自己開示していくまでになっていったから、自分たちの判断する軸が、気づかないうちに誰かが作成したものを鵜呑みにしていたかもしれないとクリティカルシンキングを発動することも頻繁に起こった。
 
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☆あらゆる自分の感情は、自分から引き出され、良好な人間関係が生まれるも生まれないも、自分しだいであるということを、仲間が共感し合った。実にここが大事なのだが、すべての原因は自分にあるという自己責任言っているわけではない。互いに相手を受け入れ、自己の思い込みを壊して自己変容していくその仲間性がなければ、自分も相手も変わらないという共感ができあがっていったのだ。
 
☆自己変容は自分次第なのだが、それは互いにそうなのだ。どちらか一方だけが、自己変容することは実はできない。
 
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☆もし相互自己変容ができる共感的な絆が成り立ったとしたら、それは安心安全な柔らかい感情が生まれ出る。しかし、それはだれかだけが自己変容しようとしてできないストレスをため込むのではなく、互いに自己変容が自然な感じでできるようになるという柔らかいけれど、実にストイックなクリエイティブテンションが醸成されう仲間性なのである。
 
☆自己変容とは、結局私は何ものなんか?君は何ものなのか?玉ねぎの皮をむくような一見徒労でもあるかのような無限の対話なのである。もし、これを1人で行っていったら、無限後退のループに陥り、どんどんストレスが溜まっていっただろう。
 
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☆不安と恐怖のストレスが。そして、このような事態は、現代社会の病理でもある。
 
☆金井先生と佐野先生は、そこにはまっていかないように、仲間性を築くことから始めていった。決して他人が押し付けた目標や基準を鵜呑みにせずに、互いに自分を徹底的に見つめることから開始した。
 
☆もはやそこには進学力だとか革新力だとか二項対立をねつ造する必要はなかった。自らのbeingを見つめ、自分の価値が仲間との関係の中で、見えてきたとき、実現に向けてモチベーションは内燃した。
 
☆高3の夏だったか、一度このクラスの生徒といっしょにワークショップを開く機会をもらった。彼らにとって、考えることは当たり前だったし、歴史に思いを馳せ、未来を描くことも当然だった。ディスカッションもそうだった。
 
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☆創造の翼を広げることを大いに楽しんだ。好奇心、探究の精神、起業家精神、チャレンジ精神、仲間を愛する精神、社会に役立つ自分の存在の意味は身体中にみなぎるエナジーとダイナミックな流動としてストレートに伝わってきた。
 
☆理想即現実。こういうクラスがあるのだと感動したが、実は2018年の中学入試の新たなウネリを動かしているのは、まさにこのクラスで行われていた学びのエナジーである。
 
☆金井先生や佐野先生は、彼らが羽ばたく姿を見送って、次にどんな学びの仲間性を創るのだろう。羽ばたいていいくプロジェクトクラス一期生は、今度はまたどんな関門をくぐりぬけるのだろうか。
 
☆予測不能な時代の変化に備えるということは確かに重要である。しかし、予測不能なのは、私たちが一人一人自己変容しようとしているからだ。大きなウネリは、実は自己変容しようとしているコミュニティから大きな創造物として生産されるものなのである。
 
☆だとしたら、恐ろしくもなんともない、むしろ大いにポジティブに受けとめたい。小さなプロジェクトクラスから大きなウネリは生まれている。もちろん、小さなコミュニティは一つだけではなく、共感する小さきコミュニティは同じ呼吸をしているかのように、あらゆる領域で増殖しているのだろう。
 
☆もう3年もしたら、そのコミュニティどうしが共鳴共感共振しだすはずだ。20世紀が生んだ暗黒面を払しょくする善なる仲間性が豊かになる。それが本当の大きなウネリだと確信したい。
 

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