« 2018年首都圏中学入試(60) 21世紀型教育校が思考力を育成する理由 | トップページ | 2018年首都圏中学入試(62) 大手塾の合格実績傾向から見える新市場 »

2018年首都圏中学入試(61) 21世紀型教育校が思考力育成にICTを活用する理由

☆2月3日現在で、聖徳学園の出願総数は716人に達し、前年対比137.7%となった。21世紀型教育校の中でも、同校はICT教育と英語教育、そして思考力を統合したパワフルな教育を形成している。
 
Dsc05993
 
(聖徳学園の新校舎ラーニングコモンズは、毎日フル稼働)
 
☆ICT教育の旗手といえば、業界では、品田健先生の名前がすぐにあがる。先生が聖徳学園の学校改革本部長として就任して2年目にラーニングコモンズという革新的学びの空間をデザインした。
 
☆そこは、リベラルアーツの現代化としてSTEAM教育が中心に展開している。
 
Dsc05995
 
☆STEAM教育は、科学やテクノロジー、エンジニアリングの領域で、プログラミングやAIロボット工学など、ICTを教育現場の中で実際に活用することを目的にしている。と同時に、ICTを媒介にして、アートや数学的思考のような創造的才能を飛躍させる教育でもある。
 
☆顕微鏡や望遠鏡、羅針盤、活版印刷などが、今でいうSTEAM領域を飛躍させ近代国家文明が形成されたように、ICTは、STEAM教育をAIグローバル市民文明に発展させる。
 
☆近代国家文明は、1人の天才を中心に、組織化されていた。そしてそれが同時に階級社会や格差社会の暗黒の領域も広げていった。ソフトパワーは一握りの特権だったのである。
 
☆しかし、21世紀社会は、依然その暗黒面を払しょくできないでいるが、一方で、ICTによって、市民一人ひとりが自分の才能を見出し、それを集合天才組織として形成できるようにもなってきた。
 
☆今まで人類が経験したことがないような組織作りが誕生し、古い組織形態は、やがて払しょくされる。それはICTによってSTEAM領域の知を1人ひとりが共有し、そのうえで自分の才能を生かせるようになるからである。
 
☆現在2020年大学入試改革に伴い、新学習指導要領が組み立てられ、そこでアクティブラーニング手法が導入されることになっている。一方でICT元年とも呼ばれ、タブレットやデジタル教科書が、アクティブラーニング授業に導入されることになっている。
 
☆聖徳学園のような先鋭的な21世紀型教育校は、もちろん授業にも道具として活用するが、さらに進んで、ICTはもはや道具以上の存在として機能し始めている。
 
☆思考力とは、私たちが、目に見えない世界を見えるようにする行為であるが、そのためには、私たちは様々な現象や事象との循環、多様な人間関係、多様な知の協働が必要になる。これらの関係を大きくしていけばしていくほど、世界は解明され、新たな発見が生まれる。
 
☆この関係を広く深く拡張していくには、今やICTは欠かせない。眼鏡をかけている人間にとって、眼鏡はたんなる道具ではなく、目の延長そのものである。したがって、いわば、ICTは、脳神経システムの延長なのである。
 
☆リベラルアーツの現代化とは、イノベーションと人間の能力の関係総体を意味づけることでもある。
 
 

|

« 2018年首都圏中学入試(60) 21世紀型教育校が思考力を育成する理由 | トップページ | 2018年首都圏中学入試(62) 大手塾の合格実績傾向から見える新市場 »

中学入試」カテゴリの記事