2018年首都圏中学入試(62) 大手塾の合格実績傾向から見える新市場
☆大手塾のうちSAPIXと日能研は、21世紀型教育校にも目配りしているが、早稲アカと栄光ゼミナールは、まずは難関校が中心。
☆21世紀型教育機構の加盟校を受験する生徒は、そのほとんどが上記大手塾出身ではない。しかし、多くの受験生が受けに来る。中学受験塾だけではなく、英語塾やスポーツなどのまた別の学習空間からも受験しているということ。そして、何といっても帰国生が注目している。
☆今後は、上記大手塾が、広尾がそうだったように、21世紀型教育校にも注目しだすだろうが、大手塾からの受験生がいないから、生徒が集まらないということにはなっていないので、むしろ、このことは、多様な生徒が集まる新しい場ができているととらえ返すほうがよいだろう。つまりコペルニクス的転回が起きているのだと。
☆そして、この新しい場ができているということは、新市場が創出されているということを示唆してもいる。
☆「21世紀型教育機構」という「記号」は、かくして新しい教育のウネリを生み出している発信源ということになってきたようだ。
☆「難関校」という「記号」は、大手塾との連携によって、20世紀社会を牽引するリーダーを輩出してきたことを表現する。
☆一方、「21世紀型教育機構」という「記号」は、市民革命以来の近代社会が生み出し、20世紀社会を牽引してきたリーダーが最大限の恐怖に仕立て上げたフランケンシュタインパラドクスを創造的問題解決するグローバルシチズンとしてのリーダーを輩出することを表現する。
☆これが、20世紀型教育が21世紀型教育にシフトしなければならない必然性の根本問題である。東大初綜理加藤弘之が生み出した官学の系譜は、フランケンシュタインパラドクスを増幅してしまった。加藤弘之に論戦をはった開成出身の聖学院初代校長の石川角次郎のような私学の系譜はそれを解決しようとしてきた。
☆しかし、20世紀社会は、圧倒的に官学の系譜の時代だった。それでも、私学の系譜は、知恵を尽くし、生き残り戦略を駆使してきた。なんとか、官学の系譜のものの見方を変容させようとしてきた。その過程でミイラ取りがミイラになってしまった可能性が「難関校」にはある。
☆21世紀型教育校は、難関校に私学の系譜のマインドを覚醒する役割も担っているのかもしれない。私学全体はゆるゆかな理念共同体であるから。
☆子供の未来を、人間の創造した怪物の手に渡すのか、創造性の豊かさの恩恵に浴すことができるようにするのか。昨今の核をめぐる政策転換の話やAIの急激な進化をどちらの道に進めるのか、重要な局面に私たちは立たされている。そのことだけはどうやら確かでであろう。
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