2018年首都圏中学入試(69) 大妻中野の野望 新思考力入試と算数入試の次
☆だから、革新力に初めから魅力を感じている受験生・保護者を集めることができるという手ごたえを感じたと思うが、その一方で、普通の感覚の受験生・保護者が覚醒するような魅力を生み出さなければならないはずである。
☆これが、今年のリフレクションの方向性だと思う。入試終了後、大妻中野では俊敏にもリフレクションし、改善すべきところは改善する活動をすでに開始したようだ。
☆それゆえ、2019年は、もう一度進学力と革新力の均衡を回復し、革新力に共感してくれる受験生/保護者と革新力が魅力的なのだと気づいてくれる受験生/保護者へ新しいメッセージを発信する一年となるのではなないだろうか。
☆どんな方向性になるか勝手に予想してみると、新思考力入試と算数入試の再構築が行われるのではないかと思う。新思考力入試は、総合型と算数と論述の3つに分かれている。
☆たしかにどれもすばらしい問題だ。特に論述の問題はなかなかセンスの良い問題で、グッとくる。TIMEは、毎年「その年の人」を表紙に載せる。時の大統領だったり、ビル・ゲイツのような革新者だったり。歴史に影響を与えた人物を選んでいる。
☆しかし、2006年は、<You>だった。一人の英雄ではなく、SNSで、一般市民が共同体を形成して歴史を動かしているというのだろう。この<You>を選んだ意味について、400字から600字で論述する問題。
☆歴史的事象の変化で接近するもよし、時代のパラダイムの転換という切り口で書いてもよし、情報機器であるデバイスの変化という切り口で書いてもよい。そして、未来から接近してもよい。
☆ディスカッションすると尽きることのないオープンエンドな問いである。もちろん、ブルーム型タキソノミーベースのルーブリックもできている。そのルーブリックなるものは、思考を狭い範囲から、広範囲に広げ深く掘り下げていくコンパスであるから、ディスカッションも堂々巡りや各k産することなく、システム思考で進められるだろう。
☆一方算数入試では、プログラミングの背景のアルゴリズムを見破り、自分でプログラミングを描いていく創造的思考を要する問題まで出題されている。算数入試というよりも、これぞ、思考力入試である。
☆こうしてみると、新思考入試は7割は適性検査型入試で、論述問題は人文系的な思考力入試。算数入試は理数系的な思考力入試というのが本当のところだろう。
☆すると、思考力入試の再編が行えるはずだ。というのも、大妻中野の場合、適性検査を受ける公立中高一貫校受検生にターゲットをあてる入試を行うことはミスマッチであろうからだ。
☆大妻中野の革新的な教育に共感している受験生/保護者、あるいは大妻中野の説明会などに足を運んだ結果、革新的教育が、わが子に必要だと気づいた保護者にターゲットを明快に絞る方がよいのではないか。
☆したがって、総合型の思考力型問題は2科4科に埋め込み、論述型は、人文系思考力入試、数学的新思考力入試と算数入試は、巧くまとめて、理数系思考力入試として、選択制にした方が、大妻中野を目指す受験生にとっては分かりやすいのではないだろうか。
☆独断と偏見でおそらくお叱りをうけるだろうが、大妻中野の進学力と革新力の均衡がとれた教育力に触れることで、生徒が大きく成長することは間違いない。そのことを明快に表現すれば、希望をともし勇気を抱いて学んでいける生徒が続々挑戦してくるのではあるまいか。
☆そして、その挑戦のウネリが、日本の教育に衝撃を与えることになるだろう。大妻中野ショックを期待したい。
| 固定リンク
「中学入試」カテゴリの記事
- 2019年中学入試の新フレーム(184) キャリアガイダンスは必読!聖光学院の取り組みをきっかけに考える。(2018.07.14)
- 2019年中学入試の新フレーム(179) 大きく動き出したグローバル2.0へのリフォーム(2018.07.12)
- 【首都圏模試保護者会レジュメ】2018年7月1日(了)学校個別情報(2018.06.30)
- 【首都圏模試保護者会レジュメ】2018年7月1日③併願情報(2018.06.30)
- 【首都圏模試保護者会レジュメ】2018年7月1日②「成績表」×「解答解説」=戦略×戦術(2018.06.30)
最近のコメント