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2018年首都圏中学入試(70) 三田国際 異次元の質の変化起こる!

 
 
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☆まだ未公開ということだが、今年の国際生入試と21世紀型入試の問題をチラリと拝見もした。英語はエッセイライティングがほとんどだし、21世紀型入試も論述型と口頭試問。問いの内容も東大推薦入試やイギリスのAレベルテストの問いを彷彿とさせるワクワクするような問題。
 
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☆出願総数は、おそらく3,700名を超える。併願校も、渋谷教育グループ、慶応グループが激増。しかし、何より第一志望は三田国際だという受験生が圧倒的。
 
☆その秘密は三田国際の入試要項にあった。4科と英語入試と21世紀型入試で構成されているが、これだけでなぜ受験生の質が変わったのかわからない。2科をなくして、難度をあげたのだろうと思われる方も多いかもしれない。
 
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☆たしかに、難度はあがっているのだが、それに挑戦したいという受験生総数が3700名もいるのである。このこと自体奇跡的あるが、難度があがっても挑戦したいというマインドセットが説明会でなされているからこそ、複数回数の入試に何度も挑戦してくるのである。大橋学園長は、ほんとうに1点か2点の差で、合格できない生徒もいて、胸が締め付けられが、三田国際への挑戦の学びが人生にとって何か役に立つような試験にしたいと静かに語った。
 
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☆三田国際の入試→授業→教育活動→キャリアデザイン→大学という展開の中軸は、上記の思考のメタルーブリックが一気通貫している。
 
☆このルーブリックは、思考を「知識・理解」「応用・論理」「批判・創造」という3つの領域に分けている。そして、それぞれが、Know→Act→Customと発展する。しかも縦軸と横軸になっているので、実際の思考は、複雑な関数になっていてシナジー効果があふれ出るように授業のプログラムは作られている。
 
☆説明会に受験生が参加すると、思考のメタルーブリックの話は直接されないが、そのシナジー効果があふれている授業や教育活動をの動画を交えながらのプレゼンを聞いたり、体験授業などで、ここで学びたいというマインドセットがされる。
 
☆そして、入試の説明を受けると、自分の現状の才能に適応(アダプティブ)した入試があることに気づくのだ。しかも、三田国際は、すべての生徒が創造的思考を駆使して、既存の知識を新しい知識に置き換えたり、新たに生み出したりする究極の学問知の領域に共に立ち臨もうという<Soul>を入試説明会からはじまり、6年間いつでもどこでもシェアしている。
 
☆だから、それが入試問題にきちんと反映していなければならないのだが、それがそうなっているのである。
 
☆しかし、自分の創造的才能に、入学時段階で、みな完璧に気づいているわけではない。だから、入試に挑戦する学びの過程で気づいてほしいというメッセージが4科入試の問題すべてに埋め込まれている。
 
☆つまり、三田国際の思考メタルーブリック(首都圏模試センターでいう思考コードに相当する)の3つの領域と3つの次元すべての範囲が、4科入試では、出題される。
 
☆それぞれ30%強出題されるようにテストはデザインされている。秋の説明会では、このことが入試結果の詳細なデータになって盛り込まれている小冊子スタイルで配布される。もちろん、詳しく説明されるのであるが、説明会に参加しないとその小冊子を手に入れることはできない。すでにこの段階で三田国際の知の洗礼をうけることになる。
 
☆だから、知識・理解と論理的思考で基礎学力を身に着けてきた生徒も、創造的思考を要する問題について自己トレーニングすることで、入学時に思考次元ギャップを生み出さないシステムになっている。ここにどんな学びを行ってきた生徒も、挑戦する気概があれば、必ず自分の不得意な部分もクリアできる知を学ぶことができるという安心と信頼が生まれる。
 
☆また一方で、国際生入試にチャンレンジする生徒のほとんどは、すでに三田国際のルーブリックが描く、すべての範囲を一応カバーしてしまっているという。だから、そのような生徒には、高次思考を鍛える口頭試問が適している。エッセイライティングと思考対話。まったくすでにミネルバ大学方式だ。
 
☆それから、実におもしろいのは、今年新設した「21世紀型入試」。これは本科受験生のための試験。本科受験生は、入学後英語力をめきめきつけていくが、その秘密は創造的思考力の育成にある。しかし、生徒は一人一人多様で、実は知識・理解はなぜか不得意だが、創造的思考においては、嬉々として集中力を発揮できるという才能児がいるものなのである。
 
☆このような生徒を積極的に受け入れようとしたのには、大橋学園長のある想いがあった。というのは、中学入試の現状のシステムでは、受験生が増え、やむを得ず競争が激化すると、偏差値が高くなる。すると、偏差値競争の中に取り込まれてしまう恐れがある。
 
☆だから、この領域にいない受験生、あるいは辛いことに、この偏差値競争の中にいて、本当は創造的思考を有しているのに、その才能を見出してもらっていない受験生。このような受験生が、創造的才能を伸ばせないまま、大人になっていくのでは、社会にとって重大な損失である。だから、そのような受験生に三田国際は機会を開いたのだと。それは、偏差値競争という塾歴社会に取り込まれないためにも必要なのだと。
 
☆そして、本当にすばらしい生徒が合格したと。これで、思考のルーブリックのあらゆる領域の才能者が揃ったのであり、入学後、本格的に、1人ひとりが自分の真の才能に気づき、その才能が大きく開花するような、一人一人にあった授業や教育活動を先生方と共に行っていきたいのだと。
 
☆もちろん、もっと多くのことを語っていただいたし、実は新しい地平である「グローバル3.0」 が明確に見えたという話もあった、。しかし、それは2月18日の新中学セミナーで講演されるので、乞うご期待ということである。
 
☆大橋学園長のお話をお聞きして、私の脳裏に思い浮かんだ、三田国際の3つのポリシーの循環図を忘れないうちにと描いておいた。参考になるかどうかわからないが、公開しておきたい。
 
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☆図を見てもわからないと思うが、新中学セミナーに参加された際の参考になれば幸いである。もちろん、この図では、三田国際の教育の真実を表現しきれていない。そこは、この図を踏み台として、三田国際の教育を思い描いてみていただきたい。
☆それが、また、学校選びの広く鋭い視点を身に着けるトレーニングでもある。
 
 

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