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2019年大学入試問題の新フレーム(01)東大の世界史と現代文

☆今年の東大の世界史の1番の問題は興味深い。女性の権利が世に認められる歴史的過程をまとめる問題。自分の意見を混入する必要はないのだが、実際にはたんなる歴史的事実の知識の活用という程度ではない。
 
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☆今なぜ、フェミニズムの問題なのか考えるのもなかなか面白いが、そんな高度な政治上の問題は、ここではちょっと置いておいて、この問題あなたならどのように編集するだろうか。
 
☆19世紀から20世紀の女性の権利の闘争史としてとらえるのか、それとも近代社会の光と影の交錯あるいは葛藤として、弱者の権利の保障と権力者の都合のよい権利の利用という権力史でとらえるのか、それとも資本主義の矛盾史をクリティカルにとらえるのか。。。
 
☆そんなのは、どれでもよく、与えられたキーワードの歴史的事実想起とそれを年代順にかけばよいのだということだろうか。年代順にといってもそのつながりに上記のような歴史観みたいのは混入しないのか?
 
☆いや、やはり、歴史観は採点では考慮しない。混入してしまっても、歴史的事実の教科書的意味と時代順序が間違っていなければ結局はそれでよいのだということか。
 
☆仮にそうだとしたら、余計、自分なりの物語やシナリオをつくる創造的思考があったほうが、まとめやすいということではないか。
 
☆そんなことを思いながら、現代文をみたら、文理共通の素材は、野家啓一さんの文章だった。歴史は結局物語だよという哲学者の文章。
 
☆そして、問いもずばり、どうして歴史的出来事存在は物語り的存在なのかという120字記述の問題が出題されていた。たしかに、野家啓一氏の文章は、大学入試の現代文で出題される方だろうから、大学の歴史の教授も読んでいるだろう。
 
☆世界史の作問者と現代文の作問者が教科越境的に結果的に総合問題を出題したかどうかはわからないが、妙につながっている。
 
☆歴史観とか読書とかいう教養は東大の問題を解くときには、かえって余計な思いが混入するから不要なのか、それとも知識の活用、再現をスムーズにするのに役立つのか。
 
☆GLICCの東大生チューターに今度聞いてみよう。

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