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2019年大学入試問題の新フレーム(02)東大の地理と現代文

☆今年の東大の次の地理の問題も、前回の歴史と同じことがいえる。
 
 
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☆現代文では、歴史的出来事が物語り的存在であるばかりでなく、肉眼で見えない粒子の世界も、その痕跡や実験的検証といういわば出来事を積みかさねて、理論的存在を構成すると論じている。つまり、粒子の存在の物語りなのである。
 
☆この地理の問題も、未来予測であるから、見えるはずがない。だから、シナリオを描きなさいと。これもまた理論的存在を編集することに他ならない。
 
☆歴史的出来事、自然現象、社会環境の多様なデータなどで、社会や自然、人間の精神まで理論的構成を編集するロジカルでクリティカルでクリエイティブな思考をさりげなく使う問題を出題していることがわかる。
 
☆しかも世界史も地理も現代文も、その理論的存在の構成あるいは編集する方法論、つまりものの見方や考え方はどうやら等価のようだ。
 
☆つまり、「教科の本質問題}は「理論的存在構築の方法」=「論理的・批判的。創造的思考」として普遍的だということなのではあるまいか。
 
☆「教科の問題」は「教科固有の知識」×「普遍的な理論的存在構築の方法」という内容を盛り込んでいるのが東大の問題ということだろう。
 
☆一般の大学入試問題は、今のところ「教科固有の知識」の占める割合が高すぎるが、今後は「理論的存在構築の方法」の割合が高くなる。
 
☆中学入試における思考力入試とは、この「理論的存在構築の方法」を問いかける先行的な試みだったということなのである。
 
☆今後、中学入試も高校入試も大学入試も、比率はともかく、「理論的存在構築の方法」、すなわち、「物語り的存在の編集方法」を問う問題を避けて通るわけにはいかない。そして、これをもって創造的思考とするならば、創造性はやはり無視できまい。

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