2019年中学入試の新フレーム(07) 静岡聖光学院 新フレームをさらに組み替える
☆話は多岐にわたったが、対話の中で、私たち(鈴木・本間)の新市場創出の考え方は、あくまで首都圏中学入試市場の枠内で、静岡県においては、微調整が必要だということに気づいた。
☆というのも、首都圏、特に東京エリアは、中学から高校に目を転じれば、私立高校に通う生徒の方が公立高校に通う生徒に比べて多い特殊な地域なのである。3:2か7:3ぐらいの違いがあるはずだ。
(星野明宏副校長先生は、静岡聖光学院ラグビー部の監督に就任して3年目でチームを花園に導き、“本物のカッコイイ男たちの集団”をプロデュースしたことで各メディアが注目した教育者であり辣腕学校経営ブレイン。大手広告代理店を退社し、学生寮の舎監から常務理事にまで昇り詰めたストーリーは、各メディアが取り上げている。)
☆そして、神奈川、埼玉、千葉から東京への電車の交通網が密になっていて、実際の東京の生活経済は、東京を超えて首都圏全域に広がっているのは、言うまでもない。
☆したがって、東京の様々な領域での影響は首都圏全体に及ぶ。教育もその例外ではない。よって、私立学校の受験市場というものが、当たり前のようにあるから、それを前提に新しい市場として差異を徐々に拡大していくというやり方は、ある程度効果があった。
☆しかし、静岡は、県立高校の受験市場が基本で、私立学校の市場が、その市場と差異をつくっていったとしても、その革新性のボリュームが目立たない。というのも、原則公立学校は、その教育の内容やシステムに違いはあまりないように組み立てられる。そいたがって、その違いは大学合格実績でしかない。
(田代正樹副教頭先生は、同校のOBでもあり、その精神を教員間および生徒とシェアするだけではなく、地域にも広げ、静岡聖光学院の得難い存在価値を高めている。)
☆しかも教育の内容やシステムに違いがないわけだから、結局は生徒の基礎学力の違いがものをいう。
☆首都圏のように、各私立学校の教育内容やシステムの差異が受験生/保護者の選択視点として意識されているわけではない。
(教科知識を学問的な領域まで深めていくため、授業はPBL型になっていくのは自然だった。)
☆そうなると、公立学校とかなり違う教育内容やシステムを行うと、常識から外れるということになり、奇異に映りはするだろうが、それが人気にすぐに結びつくかどうかは、また別問題なのである。
☆したがって、静岡聖光学院は、市場の常識とグローバル教育の革新性との間でい板挟みになる。これをいかに好機に転換するか真摯に計画を練っている。
(校舎の目の前に現れる富士山。澄みきったその厳かな姿を、生徒は日々どのように感じるのだろうか。インパクトは大きいだろう。)
☆そして、私たちも改めて気づいたのが、実は、この私立学校の置かれた状況は、基本的には日本全国同じ構造になっていて、首都圏でも、数の論理で私立学校の市場が、その構造を覆って見えないようにしているだけで、公立学校と私立学校の基本的な構造がなくなっているわけではない。
☆だから、進学力のない私立学校は、結局選ばれず、中学受験で第一志望校に入学できない場合は、リベンジと称して、公立中学に進んで、高校入試で再挑戦するという構造が厳然としてあるのである。
☆となれば、静岡聖光学院がその公立学校と私立学校の入試市場のジレンマ構造をどのように問題解決するかは、他人ごとではない。むしろ、同校の突破する活動は私立学校全体の明日を導くモデルとなろう。
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