2019年中学入試の新フレーム(12) 2018年首都圏中学入試「入試総括コラボミーティング」 in 東京女子学園②
① 偏差値(大学合格実績)ギャップ
②エリアギャップ
③教育の質ギャップ(英語力×思考力×ICT×学びのタイプ)
④大学入試改革の理想と現実ギャップ=新タイプ入試ギャップ
➄経済的ギャップ
☆論者の皆さんは、それぞれのギャップが生み出す学校側の混乱や保護者の不安について、分析を行い、それをどのように学校が解消しているのかリサーチしている。当然そのような学校を一定の評価を付与しているのであって、それが2019年の中学入試のウネリの予想につながっていくということだろう。
☆コラボミーティング終了後、懇親会があったが、大学通信の安田氏と話しながら、大学入試改革は進むだろうけれど、ユートピアはないという現実と理想のギャップあるいは葛藤の混乱は避けられないのではないかという話は共感できた。
☆だから、今まで通りで行くのか、独自の革新路線で行くのか。相対的ではあるけれど、自由度の高い私学は、どちらに進むにしても独自の創意工夫で乗り越える可能性を持っているし、それに期待したいと。
☆どちらにしても、大学合格実績が出るならば、それは未来に備える方がよいに決まっていると即判断しにほうがよいというクリティカルシンキングを稼働することの重要性をそのとき感じ入った。
☆経済的なギャップについては、ミーティングの時点では、メディアで語られている富裕層情報程度で通り過ぎたが、やはり懇親会では、併願校の複数合格のときにどの学校を選ぶのか、分析のお話を聞くことができた。やはり、私立学校市場の分析背景には、国の経済社会へのリサーチもダイレクトに関連してくる。
☆エリアギャップと経済的ギャップは、なんらかの関係があるかもしれない。これも、日本の今後の国力問題であり、軽視できないテーマである。
☆ところで、多くの論者が難関校の思考力型問題の意味や思考力入試の意味について具体的に語ったというのは、今までのコラボミーティングを顧みると、大きな特徴だったのではないだろうか。
☆教育の質のギャップについて、いよいよ注目されてきたということだろうし、ようやく議論が始まったとも感じた。
☆というのも、教育の質のギャップを測る指標はなかなか難しいから、議論しづらかったという事情もある。しかし、受験業界内で人口に膾炙されている「入試問題は学校の顔」であるというテーゼが、ようやく難関校から広く他の私学にも広がったのである。
☆入試問題で思考力型問題を出題していたのは、2013年までは、難関校に限られていた。しかし、「21世紀型教育」とか「グローバル教育」とかがぶち上げられてからは、多くの学校で思考力入試を開発してきた。
☆そして、それを見れば、その学校の教育の質がわかる。教師の力がわかる。特に、聖学院、工学院、かえつ有明、大妻中野などの思考力入試対策セミナーや講座などが、メディアでも取り上げられ、思考力入試と授業が密接につながっていることが映し出されるようになってきたために、ますます入試問題と教育の質の関係が注目されるようになってきたのだろう。
☆いわゆるアドミッションポリシーとカリキュラムポリシーが見える化されたわけである。あとはこれに、進路先教育のみならず、第4次産業革命時代を生きる自分観と世界観も学ぶ新しいキャリア教育にもとづいたディプロマポリシーが見える化されると、教育の質はもっと見える化され、共感を呼ぶことになる。
☆ユートピアかディストピアかまだ予測不能だが、その手掛かりがeポー^トフォリオであるかもしれない。そのことについては、今回は参加していなかったが、株式会社カンザキメソッド代表神崎氏に今度教えて頂こうと思っている。
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