2019年中学入試の新フレーム(16) 成功する学校しない学校
☆学校は、制度を作る経営側と制度を実行する各分掌のグループの両者で形成する組織だから、この両者の関係を分類わけしながら考察していこう。そして、今後は、「制度」と「グループ」と簡略化して書いていくことにする。
☆この両方がうまくいくには、内的連関が必要であるが、この内的連関には、二通りある。オールドタイプでうまくいくのは単純連携タイプ。各制度に対応するグループの効率の良いコミュニケーションが存在する。しかし、他グループとのコミュニケーションはほとんどない。だから、内的連関は、限定的である。
(多重連携タイプ:ニュータイプの学校で成功する学校の構造)
☆ニュータイプの学校は、イノベーションが起きているから、内的連関は多重連携タイプ。このような構造は、外部環境も巻き込むパワーがあるから、どんどん質的量的に豹変していく。
☆逆に言えば、このような多重連携という内的連関ができていないのに、外部と連携しても、学内が混乱するばかりである。
(偏向連携タイプ:一つの制度を一部のグループだけがカバーする偏った連携構造)
☆外から見ていると、改革が起こり、したがって、制度変更が起こっているが、実際には、一部の制度を担当するグループが、それだけで、すべてを解決しようと偏向連携に陥ってしまうケースがある。外から見ていると、誰が改革に参加しているかどうかわからないから、改革で盛り上がっているように見えるが、説明会い行くと何か違和感を感じる。
(蛸壺型連携タイプ:制度変更を無視して、各グループ内で、従来通りの連携しか行われていない構造)
☆やはり、外から見るとあれもこれも変わっているように見えるのだが、説明会に足を踏み入れると、何も変わった様子が感じられない。むしろ雰囲気が悪い。改革のパラドクスが起きているとすぐに感じる学校もある。
☆このタイプは、中学入試はうまくいっていないが、高校入試はうまくいっている学校の場合が多い。高校入試は、まだまだオールドタイプの勉強方法や学校価値観の割合が高いから、変わっていないことが安心だと感じるからだ。
☆したがって、多重連携タイプになる努力をしているかどうかモニタリングすることは肝心である。調べることができるのは、そのために、有益な教員研修を内製し、適宜「外部リソース」とも連携しえちる学校であるかどうかという点である。
☆どうやら、2019年中学入試市場における学校選択情報は、この「制度」「内的連関」「グループ」「外部リソース」の多重連携の情況を見極める必要がありそうだ。
☆なお、この多重連携タイプが成功するには、論理×批判×創造的思考力を、かかわるステークホルダー1人ひとりが有していることは基本である。
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