【お知らせ】2月18日(日) 「新中学入試セミナー」開催。首都圏模試センター北一成氏基調講演。
☆首都圏中学入試の動向は、日本全体の小学校6年生のおよそ3%の話に過ぎない。だがしかし、この小さな領域に、日本の教育の変化の動因がある。日本の私立学校は、海外のエスタブリッシュな学校とは違い、莫大な学費がかかわるわけでもないし、ファンドのシステムがしっかりしているわけでもなく、ギリギリの学費と助成金で成り立っている。
☆ギリギリになるのは、私立学校は、生徒の定員が決められているから、利益を上げて教育の大量生産をすることができないゼロサムの経営手法で運営されているからだ。
☆それゆえ、文科省・学事などとの法律上の規定内とギリギリの資金の制約内で、創意工夫をして、生徒を集める必要があるのだ。
☆この経営手法は、実は、NHKが特集し続けている欲望の資本主義とは違う、ある意味ユートピア的市場経済システムで、多くの人がまだ気づきていない、新しい社会の経済システムのひな型の1つでもある。
☆それはともかく、この制約の中だからこそ創意工夫するのだが、その創意工夫とは何か?それは、常に子供のかけがえなのない存在を大切にし、その存在意義を未来に証明する教育の質を向上し続けることである。現状で目の前の利益を生むわけではなく、よく言われるように、未来への投資である。
☆そのために、本来的な人間の存在の価値を守りながら、教育の最先端を進むという伝統と革新を、経営と教育の両輪を巧みに運営しながら実行していくのである。
☆それゆえ、教育もまた変化するわけであるが、この教育の変化は、政治経済社会を含む社会の変化に当然関係している。そのため、その教育の変化がもっとも活発化している地帯に、メディアの注目が集まるのは、当然なのであろう。
☆今回の中学入試の動向には、教育の大きな変化が生まれたことが明快になった。もちろん、新タイプ入試の激増に象徴されるように、毎年のように生まれる新しい入試改革というものがある。
☆しかし、いつもと違うのは、子ども1人ひとりのかけがえのない存在価値をしっかり見据え、子どもたちがその可能性にチャレンジできるような教育環境の創意工夫に取り組んでいることが明快にわかるメッセージが入試問題を通して表現されたことである。
☆そして、そのメッセージこそ、社会の大きな変化と同期する精神なのである。
☆このような社会というマクロの動きだけではなく、入試市場というミクロな領域においても、変化が見られた。
☆新タイプ入試は、一方で学校独自の生徒獲得戦略の一環である。しかし、現状の私学を取り巻く環境は厳しいために、その凍てついた中学入試市場を活性化し、拡大することに貢献する教育活動であることも私学全体及び塾業界においても共有されるようになってきた。この流れは2017年にはそれほど活発ではなかった。
☆新タイプ入試の牽引は、間違いなく2013年に21世紀型教育を宣言した私学の仲間(21世紀型教育機構)であるが、当時は、難関校でない私立学校が、浮ついたことをやっていると揶揄されてもいた。
☆しかし、自分たちの生徒獲得戦略のみならず、私学全体の市場を活性化する貢献になることに気づいた私立学校は、21世紀型教育機構のメンバーでなくても、次々と「21世紀型教育」を標榜し、新タイプ入試を開発してきた。
☆そして、その新タイプ入試のエッセンスは、いよいよ難関校と呼ばれる学校にも及び、入試問題の中に埋め込んできたのが、2018年の首都圏中学入試の大きな動きである。
☆そのエッセンスとは一体何か?それは2月18日(日)、「新中学入試セミナー」でみなさんと共有したいと切に願っている。
☆とにかく、子ども1人ひとりのかけがえのない存在意義とその意義を他者と表現し合う1人ひとりの才能を開花できる教育が、何よりも大事な時代が、第4次産業革命である。AI社会である。
☆もしこの存在意義や1人ひとりの才能を大事にできななければ、200年前に、第1次産業革命で生まれてしまったフランケンシュタインが再び蘇ることになろう。
☆200年前の1818 年、イギリスの小説家、メアリー・シェリーが出版したのが、『フランケンシュタイン、あるいは現代 のプロメテウス』(Frankenstein: or The Modern Prometheus)であった。そして、その出版された日は、3月11日だったのである。
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