教育の再定義の時代「グローバル教育3.0」(05)グローバルコミュニティ ③
☆RSとIBは、グローバルシチズンシップとしてのグローバルリーダーを育成しようという点では同じだが、RSは、IDEALSという高い理念を共有する世界50カ国以上から参加する私立学校の共同体(IDEALSというのは、<Internationalism, Democracy, Environmentalism, Adventure Leadership and Service>という6つの学びの頭文字をとっている)であるのに対し、IBはDPを頂点とするハイレベルのプログラムを共有する共同体で、私立公立を問わない。
☆したがって、RSは、IDEALSという理念は共有するも、プログラムは各私立学校の創意工夫に任せられている。
☆決定的に違うのは、ボランティア体験の扱い。RSは、ボランティア体験が前面に出る。IBでは、DPのプログラムのCASの中の1つSとして埋め込まれている。そして、IBは試験があるわけであり、CASも点数化されるが、RSは、そもそも試験制度はない。
☆そういうわけで、IBは、海外の超有名大学に進学するためのプログラムとして注目されがちで、クルト・ハーンの世界の本来的な問題を共有し、解決する活動をすることが見失わる時もしばしばである。
☆ウェルカムの精神という自己変容型知性を大切にし、体験を通して自分の世界を広め深めていく八雲学園の理念は、RSと共鳴共感共振したようだ。
☆RSの最大の協働イベントは、年一度の国際会議。ホスト校に世界各国からそれぞれの学校の代表の教師・生徒が訪れる。ショータイムでは、各国の文化や使命をアピールする。分科会では、世界問題のうち一つのトピックを提示さるキーノートスピーチを聞いた後、グループ分かれて、問題は何か、自分たちは何ができるのか、議論していく。
☆またホスト校のボランティアプログラムやネイチャープログラムを、参加者全員で体験していくというアクティビティが凄い。その活動の規模や深さが、日本の感覚では収まり切れないほど、極限に立ち臨むものなので、気づきは絶大という。
☆したがって、国際会議に参加してきた生徒は、「グローバル体験→気づき→言語化→活動のループ=多角的な問いの気づき=創造的破壊」の力が内面に広がる。
☆そこで、さっそく、彼女たちは、「ラウンドスクエア委員会」発足というプランを立てて実現した。まずは、その一環として、ラウンドスクエアの「Baraza(バラザ)」とよばれる活動を校内でも行っていく。あるテーマについて英語で意見をシェアしていく。世界に視野を広げ、自分たちの世界観を深めていくことを八雲学園全体で取り組んでいこうという活動である。
☆この渦が、やがて、大きく世界を巻き込んでいくことになることは、中学入試市場ではまだ誰も気づいていない。
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