教育の再定義の時代「グローバル教育3.0」(07)グローバルコミュニティ ➄
☆ケンブリッジイングリッシュスクールは、ケンブリッジ出版が編集しているCEFRベースのCLILを実践するテキストを使用する。その使用にあたって、オンライン研修を教師は受講する。そして、ケンブリッジ英検で成果を上げていく基本ラインがある。
☆なんだ英語教育の延長ではないかと思われるかもしれない。おそらくCEFRもCLILも、最近NHKテキストもCEFRベースで編集されているし、ある英語塾の宣伝では、CLILで英語力と思考力を鍛えるというアピールまでされるようになったので、聞いたことがあるかもしれない。
☆しかし、CEFRのすごさは、多角的な(4技能という便宜的な表現ではなく、もっと認知的な局面を精緻に分類している)面それぞれのルーブリックを作成し、さらに細かくCan-Doリストが作られていることだ。
☆21世紀型教育機構がC1英語を目指す環境づくりをするという共通目標があるから、その実行のために、工学院は、ケンブリッジイングリッシュスクール認定校に挑戦したのである。
☆そして、取り組むやとんでもないことが起きた。CEFRはもともとケンブリッジ出版局やケンブリッジ大学英語検定機構も、その作成にかかわっているから、ケンブリッジイングリッシュスクールは、このヨーロッパの言語理論そのものをダイレクトに、教師は学ぶことになる。
☆授業内で、リアルな体験はできないが、Uncoverなどのテキストは、テキスト内でリアルな体験をシミュレートできるようになっている。1人1台のタブレット環境(今年4月からは高1からBYODに移行する)があるから、ウェブにつないで、動画を見ながら、リスニングもリーディングもエッセイもスピーチも行っていく。
(このようなルーブリックが、多面的な領域できちんと形成されている。CEFRも同様だ。)
☆いわばヴァーチャル体験→気づき→言語化→アートデザインやドラマに転換というプロセスを経る授業展開になる。自ずとアクティブラーニングやPBLは行わなければこの授業を回転できないわけだ。そして、ICTを教員の避けて通れない。生徒の創造的思考はフル回転なのだ。
☆しかも、これがインドネシアやベトナムなどのフィールドワークMogにつながっている。さらに、探究論文編集にもつながっている。
☆授業の渦が教科越境型の渦に広がり、学校越境型の渦にさらに大きく成長していく。この渦を授業の中で生んだのは、ケンブリッジイングリッシュスクールというグローバルコミュニティとの連携による。
☆そして、渦が大きくなるごとに、世界の多様なグローバルコミュニティとの連携に結びついていく。
☆この重要な「グローバル教育3.0」活動は、一般の日本の学校では、まずできない。工学院は英語イマージョンは当然やっているから、この動きがグローバルイマージョンという広がりであることを身にしみてわかっている。
☆しかし、メディアや入試市場は、英語教育のイマージョンという点しかキャッチしないから、それがどれほどの広がりでつながっていくのかその全貌を見ることができない。
☆ところが帰国生はそれに気づいている。それに、国内の中学入試市場でも気づいている鋭い洞察力を有している保護綾が、子どもたちにチャレンジさせる。
☆それゆえ、学内で何が起きているかというと、保護者自身がインターナショナルスクールでIBを学んできたとか、大学で教鞭をとっているとか、グローバル企業に勤めているとか、医療に携わっているとか、子どもの創造的才能を信じている保護者、要するにイノベーティブな方々が集まってきているのである。
☆それは、教師の集まり方もそうなってきているし、教師自身学び続ける自己変容型知性を高めざるを得ない環境になっている。
☆もちろん、このような急激な改革は、一方で副作用をひき起こす。混乱もする。これを快方に導くには、学内でリフレクション対話を継続し、教師1人ひとりのメタ認知能力を高めなければならないが、そのモニタリングができるのもグローバルコミュニティとの連携なのである。
☆もちろん、市場とのマッチングを無視することはできない。それゆえ、今後工学院には、理想と現実のギャップを埋めていく「アダプティブリーダー」が多く輩出することになる。
☆激変の時代を乗り越えるリーダー論の中で、現在ハーバード大学やMITが注目しているのは、この「アダプティブリーダー」ということなのである。
☆工学院の21世紀型教育改革が成功することは、日本を救うことにつながるだろ。教育業界や受験業界は、自分たちのためにも、工学院をもっと応援するとよいのにと思うのは私だけだろうか。
☆とはいえ、すでに首都圏模試センター、ICTベースの学習塾メイツ、帰国生入試ベースのGLICC、JOBAは、そのことに気づいていて、ファン層も着々と増えているのも確かである。
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