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思考コードで見る「教育・産業・社会」(04)C領域思考人間の教師がいる学校 ②

☆前回、こう書いた。「しかし、そんな中、C領域思考人間の教師がたくさん集まっている学校がある。それは、三田国際、順天、聖徳学園、富士見丘、聖学院、恵泉である。ここに希望がある。C領域思考人間が多数ポジショニングをとっている学校がある。それは、開智グループ、かえつ有明である。ここにも希望がある。
 
☆つまり、学校の組織自体が、C領域思考が創発される学習する組織ということを意味するが、このことが、中学入試市場において、一体何を意味するのだろうか。
 
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(聖学院と女子聖学院の協働学びの創発研究会。いつもC領域思考人間の教師が大集合する。)
 
☆それは、もし開成や桜蔭に合格するレベルの生徒が入学したら、彼らも大満足できる学校であることを端的に意味する。
 
☆新しい改革を行っている学校は山ほどあるが、もしそのような学校に開成や桜蔭に合格するレベルの生徒が改革に期待して入学しても、期待を裏切られ、すぐに退学してしまうだろう。
 
☆というのも、C領域思考人間の校長や少数のプロジェyクトリーダーがいても、他の教師がA領域思考人間で、こんなことをやってもウチにくる生徒は偏差値が低いのだから、無理だとか、これで、大学合格実績出るのかと、改革前でも何もできなかったし、大学合格実績も出したことがないのに、平気で共感して言いまくっている。
 
☆C領域思考人間には、清濁併せ呑むリーダータイプでない心優しい人間が多いから、C領域思考人間を強力にサポートするB領域思考人間がいない場合、A領域思考人間のいい加減なボヤキをまともに悩んでいる不安になっているなんとかしなくてはと共感共同幻想を生み出してしまう。
 
☆そんな中に、高偏差値競争を是とする開成・桜蔭レベルの生徒が、それだけではないと自己変容を起こしかけて、入学したら、期待を裏切られ、やはりユートピアなんてありえない。この世は競争社会でがんばるしかないのだと、退学してしまう。
 
☆逆に、かえつ有明のようにC領域思考人間どうしの強い共感が、組織の自己変容を生み出すこともある。そして、それに生徒も感染し、すてきな共感が広がる。その結果、東大や一橋、お茶大、東工大など、自分の研究や起業が、社会に役に立つことを確信して次のステージに進む。
 
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(聖学院の内田先生。学校を超えて日本の教育を変える重要なアダプティブリーダー。)
 
☆もちろん、日本の大学は、期待を裏切る場合もあろう。まだまだ東大と言えども圧倒的にA領域思考人間が多いからだ。しかし、彼らのモチベーションは内側からきている。そういう状況をむしろ自分たちが変えてしまえばよいと自己変容知性の広がりを生み出すソフトパワーとハードパワーの両方を持っている。
 
☆先に挙げた学校は、カリキュラムやシラバスは違うが、根本はかえつ有明のような創造的な思考が浸透している。
 
☆その中で、最も先鋭的なのは三田国際であるが、この学校が広尾と同じカテゴリーに入れられているのは、そのカテゴリーに入れている3分の2の中学入試市場組が、基本A領域思考人間が力を握っているからだ。
 
☆じゃあ三田国際は、中学入試市場3分の1のC領域思考人間から生徒を募集すればよいかというと、そういうセグメントは市場の原理に反する。塾歴社会と同じようなものを作ってしまうだろう。
 
☆それより、まだ本当はC領域思考人間であることに気づかず、自分はA領域思考人間の仲間だと無意識のうちに固定観念を押し付けられている生徒を、説明会で覚醒し、入学への道を拓いた方が、子どもの未来のためには善なる行為である。
 
☆三田国際のいばらの道は、まだまだ続くが、塾歴社会に取り込まれないように祈っている。ジェダイがダースベーダーに変容したように、自己変容は常に善とは限らない。暗黒面は静かに忍び寄る。
 
☆もちろん、そうならないように、暗黒面が近づいてきたら、ホンマノオトは警報を鳴らすだろう。もっとも、大きなお世話だと言われるだろうが(笑)。

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