2019年中学入試の新フレーム(17) 慶應湘南藤沢の英語入試 グローバル教育市場さらに刺激するか?オレンジ組織からティール組織へ。
☆そして、2019年は、さらに多くなるだろうということだ。その最も大きなインパクトは、慶応湘南藤沢が英語入試を行うということだという。
☆このことは、すでに2016年から北氏は語っていることで、SFCも2016年9月から2019年の英語入試実施の予定を公開していた。
☆たしかに、2020年大学入試改革、それに伴う新学習指導要領の登場で、小学校の英語教育がダイナミックに変わる。これに対するアカデミズムからの批判もあるが、グローバル社会ですでに生活をしている市民にとっては、英語ができるできないは、実際的な重要な問題であり、それをやらないと、国力の低下とともに、日本のアカデミズムですら頼りにならないことになってしまうことを肌身で感じている。
☆そして、それは小学生にとっては、もっと切実な問題だ。英語が教科化され、成績がつく。今までのように成績がつかない外国語活動とは全く違う次元の話になっているからだ。
☆それに伴い、2010年には激減したキッズ英語塾が、今やどんどん増えて、市場規模は回復どころか大きくなっていると聞き及ぶ。
☆私立中学入試は、ある側面では、中学受験塾に自分たちの理解を求める広報活動を行ってきたが、この市場は塾歴社会以外はフリーズしてきたので、お稽古ごとを習う塾やスポーツクラブなどにも共感を得らるような間口を広げている。
☆そして、今後はキッズ英語塾や個別教室にどんどん広報活動がシフトしていくだろう。英語や子供の一人一人の才能を大切にするアダプティブな学びが、少子高齢化とともに重要になってもくるからだ。
☆そのような状況下に、慶応湘南藤沢の英語入試。このすさまじさは、すでに三田国際がモデルになっている。三田国際の英語入試や帰国生入試では、英検準1級、英検1級クラスが押し寄せてきていて、2016年にSFCの英語入試がそのくらいのレベルの生徒を受け入れると公開した時は、驚きだったが、それはもはやそうならざるを得ない事態となっている。
☆それを三田国際が自ら証明したことになるからだ。田園都市線は、慶応横浜初等部、洗足学園、三田国際を結ぶラインで、インターナショナルクラスレベルの英語教育環境を望む家庭層が集まっている。田園都市線の長津田から八王子にかけてもそのような家庭層が集まっていて、洗足や三田国際レベルのハイブリッドインタークラスを有している工学院もある。
☆このエリアが一条校でありながら、インターナショナルクラスを有している学費も相対的に安い得難いグローバル教育3.0のコアエリアとなることは必至だろう。
☆そして、そのコアエリアが慶應湘南藤沢にも拡大する。すでに、田園都市線のあざみ野から地下鉄がSFCにつながっているのである。
☆いずれにしても、このようなハイレベルの英語入試が行われるようになると、エッセイまで行うので、中学入試の国語入試のレベルを超える思考力が必要になる。これが今まだ気づかれていないことなのだ。
☆ハイレベル英語入試とSTEAM型思考力入試の2つのテストだけで、中学入試を行うというコペルニクス的転回が起こる可能性というのが2019年だと思う。
☆まさか?とお思いだろうが、今回の英語教育は、2020年大学入試改革と紐づいている。大学入試改革といっても、大学入学共通テストがどうなるかはそれほど重要ではない。大学にとって2018年問題、そして2021年問題は死活問題で、文科省が改革を効率よくすすめるかどうかの議論よりも、自分たちでさっさと改革していかなければどうしようもないところまできていると気づいている。
☆AO入試のような、学習履歴を重視する入試が多くなることは必然的だ。それがeポートフォリオであるかどうかは、また別問題。それがどうあれ、英語力と思考力を駆使して、創造的活動を生み出し、それを通してどのように社会に貢献していくかその力こそが重要である。もちろん、その過程においてICTやAIを活用することはもはや当たり前になる。
☆だから、思考力、英語力、プログラミング、ロボット、AIをトータルにデザインした学びを実施する塾に生徒が集まるようになるのも当然である。実際そうのような動きが出現している。中学入試市場も例外でないどころか、まさにそのパラダイム転換拠点となるだろう。
☆4科中心の塾歴社会の市場vs新タイプ入試中心のクリエイティブキャリア形成社会の市場の競争=オレンジ組織vsティール組織の葛藤が起こるのが2019年ということになろう。
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