2019年中学入試の新フレーム(27) グローバル教育3.0 工学院の挑戦!
☆昨夕、工学院の校長平方先生(21世紀型教育機構副理事長)と電話で対話した。今春の生徒募集は、多摩エリアと23区というエリアギャップという悪条件の中、満身創痍になりながらも、2019年への足場作りはできたという。
(左から工学院校長平方先生、カリマネリーダー岡部先生)
☆工学院もまた2015年から、本格的な21世紀型教育改革を全面展開したが、改革学年は今年4月からの新高1からとなる。しかし、その改革のプロトタイプを形作ったのは、岡部先生(カリキュラムマネジメントリーダー:略称カリマネ)を始めとする先生方がかかわった今年4月からの新高2学年。
☆ハイブリッドインターナショナルコースは、今年の中学募集でも大人気だったが、そのプロトタイプは、その新高2のハイブリッドインタークラスである。このクラスの生徒は、みなチャレンジャーだし、ものの見方や考え方もかなり斬新である。担任の石坂先生(英語の先生だが、教養とグローバルネットワークがあまりにも豊か)とネイティブスピーカーの先生方との連携は申し分ないし、そのバックヤードでカリマネリーダー岡部先生のサポートが凄まじい。
☆岡部先生は平方校長とも何度も議論し、ビジョンを積み重ねていくタイプ。相手が校長であろうとなかろうと、世界的見地とナノスケールの両方をインテグレートするビジョンをぶつけていく。鳥瞰と虫瞰の統合をメタ認知できるホラクラシー組織作りが巧み。
☆そういう意味では、プロトタイプでありながらも、かなり充実した新高2のハイブリッドインタークラスかもしれない。英語力と思考力の環境は、石坂先生と岡部先生がいれば、おそらく日本のどこのクラスもかなわないレベルである。クラスの生徒がそのことに気づいているかどうかはわからないが。そういう権威をちらつかせないフラッとなマインドが岡部先生のよき持ち味だ。
☆そして、岡部先生はICTの最先端の技術を授業にすぐに取り入れるから実におもしろいのである。おそらく、開成や麻布などと比較してもそのレベルは高い。もともと岡部先生自身個人としては、東大とか眼中にない。ロサンゼルスの超エリート校チャドウィックスクール(かつて岡部先生とアメリカやヨーロッパのエスタブリッシュ私立学校を視察に幾度も行ったことがあるが、そのうちの1つ)の授業よりもハイレベルだし、ハイクオリティ。岡目八目で、外から見ているからこそ気づくのかもしれない。
☆それはともかく、平方校長は、カリマネ岡部先生と石坂先生によって、高校の英語力と思考力の盤石の基盤ができたので、今年は、さらにグローバル教育3.0を本格化するという。そのために、21世紀型教育のアップデートをするのだということだった。具体的展開は、いずれまた報告したい。
☆昨晩遅く、岡部先生とは、久々にネット電話で対話した。直接工学院の話はしなかった。たまたま落合陽一氏の話題になって、そこから未来のシナリオをいくつかブレストした。岡部先生は実は古い友人でもある。友人との対話は互いにアップデートしたいときに阿吽の呼吸のタイミングで生まれる。そして、間接的にだが、工学院の未来のカリマネビジョンが描かれていることも了解できた。もちろん、それは日本の教育を変えるビジョン。ナノレベルだが、ビッグバーンを生む目に見えないビジョン。大切なものは大抵は見えないものだ。
☆とにも、平方校長は、大学合格実績のビジョンについても語ってくれた。今春の卒業生は21世紀型教育改革の本格的学年でなかったにしろ、工学院全体でC1英語やPBLのコアの部分は展開していった。また、21世紀型教育では大学合格実績が出ないのではないかという外からの不安に対応すべく、私も信頼している新井先生を進路指導部長として平方校長は迎え入れ、この3年間、キャリアデザインのベースを構築してきた。
(左から進路部長新井先生、工学院のSGTリーダーの太田先生)
☆その成果が、今年でた。まだまだこれからであるが、工学院の歴史の中では、最高の成果であり、世界大学ランキング100位以内にはいっているシドニー大学にも合格した。平方校長は、新井先生の大学合格実績を出すシステムは盤石だという。今年の新高1からは、ハイブリッドサイエンス(医歯薬理系)コースも新設するから、高度技術を必要とするクリエイティブクラスを多数輩出することもできるだろうと。
☆工学院のアップデートは頻繁に起こるがゆえに、学内でも先生方がついていくのに必死だ。カリマネ岡部先生、進路指導部長新井先生をはじめ、多くの先生方がキャプテン平方校長の理想と世の中の現実との相克をポジティブな方向にもっていくのに尽力している。先生方のチームプレイこそ、ケミストリーの拠点であり、工学院のエンジンなのである。
☆さて、このような化学反応が、学内の教師力をアップすることは必然である。SGT(スーパーグローバルティーチャー)のコーチングリーダーの太田先生は、多くの若手教師をSGTに成長させた。その腕を買われ、他の学校に旅立つことになった。
☆太田先生は、自分の流儀を押し付けるのではなく、若手教師が、自分を成長させる自己変容型知性をいかにしたら自ら開発できるかその方法をコーチングできる優れたリーダーである。
☆平方校長としては、このような優れた教師が外に飛び出してしまうのは、自校にとってはもったいないが、日本の教育が変わるには、優れたj教師の流動性が活発になるのも21世紀型教育の在り方だと考えている。武者修行を快く承諾したと聞き及ぶ。
☆私も太田先生とは、学外でたびたびいっしょにワークをしてきた。これからもそれは変わりないので、さらに飛躍されるのは、外部の人間が故に、大いにウェルカムである。
☆しかし、実際は、平方校長も太田先生も、大いに悩んだことであろう。決断ができたのは、SGTがたくさん育ったという校長の判断とSGTをたくさん育てたという太田先生の判断がマッチングしたからだろう。また、田中先生、鐘ヶ江先生、奥津先生を始めとする多くの同僚が、あとは任せておけという頼もしいエールもあっただろう。
☆太田先生については、4月以降、また取材をしたい。次の学び舎は、これまた凄いところである。
☆工学院のミームが、日本の教育を変える人材をたくさん生み出している。Meme!ここでもMの衝撃波が生まれているのである。
| 固定リンク
« 2019年中学入試の新フレーム(26) Mの衝撃 三田国際の21世紀型教育 はやくも真価発揮。 | トップページ | 2019年中学入試の新フレーム(28) 石川一郎先生 ナイスフライング!リクルートのキャリアガイダンスで^^) »
「中学入試市場」カテゴリの記事
- 2019年中学入試の新フレーム(194) 聖学院 人気の理由は「垂直比較」(2018.07.25)
- 2019年中学入試の新フレーム(193) 順天 自分の未来を変える教育(2018.07.23)
- 2019年中学入試の新フレーム(192) 2021年度早稲田大学入試改革ショック!(2018.07.22)
- 2019年中学入試の新フレーム(191) 和洋九段女子 合格ナビゲートの冊子つくる。(2018.07.21)
- 2019年中学入試の新フレーム(190) 水都国際中学校・高等学校 全貌公開もうすぐ!(2018.07.20)
最近のコメント