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2019年中学入試の新フレーム(33) ケンブリッジ大学出版の日本市場拡大の意味

☆2018年3月20日 大学入試センターがケンブリッジ英語検定(「A2 Key/Key for Schools, B1 Preliminary/Preliminary for Schools, B2 First/First for Schools, C1 Advanced, C2 Proficiency」から成る全8種類の試験)およびIELTSの認定を公式に発表したとケンブリッジ大学出版が同サイトで公開した。そして、次のように続けている。
 
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2017年3月 工学院大学附属中学校が日本初のCambridge English スクール(ケンブリッジ大学出版局の教材を採用し英語学習の成果をケンブリッジ英語検定で測定、学校全体で英語教育に取り組む学校)に認定されるなど、今後日本でもますます注目を集めるケンブリッジ英語検定とIELTS、およびCambridge Englishスクール。
☆要するに、ケンブリッジ大学出版の日本の教育市場参入拡大を宣言したことになる。21世紀型教育機構加盟校である工学院が日本初のケンブリッジ・イングリッシュ・スクールとして認定されたということには意味がある。
 
☆よく同機構は、大学合格実績には無関心だという誤解をうけるが、まったくそんなことはない。ただ、東大を頂点とする階層構造の中で競争することことぐらい自己肯定感を低める教育活動はないと認識し、キャリア選択の幅を広めようと言っているだけなのだ。
 
☆大学合格実績を競い合っても、国内だけでは、1人当たりのGDPは上がらない。日本円にして400万前後が日本の一人当たりのGDPだが、国連の調べによると、モナコ、リヒテンシュタイン、ルクセンブルクは1000万円を超えている。
 
☆このような国には、オフショアやその他の金融商品の拠点であるから当然なのだが、イノベーションによってソフトパワーベースのモノづくりによって、1人当たりのGDPを1000万円にするにはいかにしたら可能かということを企画してみることは、日本では可能なのである。
 
☆そのような創発型思考力を育成するには、今までの学歴社会を意識していたのでは、「無理」と即答される。
 
☆しかも、1000万円超えたから幸せになれるのかとすぐに反論が飛んでくるだろう。イノベーションによってソフトパワーを高め、それに基づいたモノづくりをするということは、市場社会がその信用力を受け入れるということを意味するから、それだけで、実は社会貢献をすることだし、だいいち税金をたくさん納めなければならない。十分に社会貢献ができる。
 
☆国連調べによると、日本はさほど幸せな国でないようだ。社会の自由度と寛大さ、汚職の頻度などの項目が思わしくないようである。
 
☆簡単に置き換えれば、抑圧社会であるということだろう。この社会構造は、学歴社会と合わせ鏡であろう。
 
☆それゆえ、学歴社会とは違う場で、大学合格実績をきちんと出していこうと。それには、国内外含めて世界大学ランキングという場で考えようと。
 
☆工学院は、今春シドニー大学の合格を出した。世界大学ランキング100位以内に常駐している大学だ。工学院大学にも75名進んでいる。今までの学歴社会だと、GMARCH以上の中に工学院大学ははいっていない。
 
☆しかし、世界大学ランキング1100ぐらい(世界には約20000大学あるから、およそ5%以内のポジショニング)公表しているが、その中に工学院大学ははいっている。STEAM教育の時代、日本のイノベーティブなソフトパワー開発拠点の一つであるという評価がなされたということだろう。
 
☆GMARCHは、必ずしもすべてが、このランキングにはいっているわけではない。つまり、基準をグローバルな範囲に広げると、国内基準が必ずしも通用するわけではないのである。
 
☆海外の大学でなくても別に構わない。ただ、国内の場合、学歴社会というバイアスがあるから、その中に入らなかった場合、大学院で海外に留学に行けるぐらいの底力を中高時代に身につけたいし、起業スキルと成功するマネジメント能力を中高時代に身に着けたい。
 
☆イノベーションやAI、ICOなどの分野で起業できれば、学歴社会のポジショニングは関係なく年収1000万以上は稼げるからだ。だからSTEAM教育なのだ。
 
☆教育はお金ではない。とよく言われるが、それは金の意味を矮小化している。金は自然・社会・精神を好循環させるメディアに過ぎない。そのメディアの悪循環を生んで、格差社会を作りあがてきたのが暗黒面なだけだ。
 
☆貨幣制度も変わりつつある現在にあって、教育で生きる力、その力によって社会が恩恵を浴する好循環を生む幸せな社会システムを組み立てられる知の基盤を中高で育成するのが21世紀型教育。そして、それを研究する大学に進めるといいわけだ。
 
☆キャリアデザイン選択の自由を拡大すること。それがケンブリッジ大学出版の日本の教育市場参入拡大によって、促進されればよいのである。
 
☆そうそう、もちろん日本だけの問題ではない。世界の格差をなくすためのイノベーションであり、ソフトパワーであり、起業である。プラグマティックには、日本はすぐにそれを実現できるところとにいるのである。
 

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