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2019年中学入試の新フレーム(35) 富士見丘 学内に知の渦を生み出す模擬国連部 

☆2018年は、グローバル教育3.0の時代。富士見丘の教育では、この大きな渦が生まれている。SGH認定校として、破格のグローバル教育が学内に浸透しているが、それを飛躍の道へと牽引しているのが、模擬国連部のメンバー。
 
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☆模擬国連部のメンバーは、SGHの取り組みとして海外のフィールドワークにも取り組みつつ、夏季合宿をしたり、グローバルな知の他流試合をしつつ、英語のC1レベルのスキル、クリティカルシンキング、クリエイティブシンキングを錬磨している。
 
☆そして、世界の痛みに共感し、プラグマティックで創造的な問題解決に集中する。
 
☆2月には、「第4回ジャパンメトロポリタン模擬国連」(JMMUN)に出場。昨年度よりも一つ上のグレードの会議に参加し、3月の2つのイベントに立ち臨む準備を行った。
 
☆その2つのイベントとは、SGH甲子園と環太平洋国際模擬国連会議(PRIMUN)である。この点について、同校サイトにはこうある。
終業式を終えた春休みの週末、模擬国連部員は二手に分かれて一年間の学びの集大成を迎えました。一つは副部長を務める高校1年生・真田さんのSGH甲子園でのラウンドテーブル型ディスカッション部門への出場(SGH甲子園で優秀賞受賞)。もう一つは3月24~25日に開催された環太平洋国際模擬国連会議(PRIMUN)への出場です。
PRIMUNは海外から多数の高校生が集まり、議長役には世界各国の大学生や大学院生が就く本格的な国際模擬国連会議です。その中でユネスコにおいて文化遺産の保護について話し合うアフガニスタン大使役を務めた高校1年の佐藤さんが“Outstanding Delegate Award”に輝きました。
☆輝かしい成果は、しかし模擬国連だけのものではない。この模擬国連部のけん引力は、同校生徒全員にその勢いの影響を与え、グローバルインテリジェンスの大きな渦が生まれている。その成果のエビデンスの1つが大学合格実績だが、国内外の大学に見事に進んでいる。
 
☆そして、この大きな渦が生まれるには、中学からの用意周到な探究活動のカリキュラムやC1レベルに向けての英語教育の充実がある。同校サイトによると、
富士見丘の英語科ではSGHに指定された3年前から本格的に4技能教育をスタートし、オンラインスピーキングの授業への導入や、毎週末にエッセイライティングを宿題として課し添削して返却するなど、特にスピーキングとライティングの指導を強化した教育を実施してきました。
その成果を図るべく中学校では年に1回GTECを受験していますが、今年度の中学2、3年生は、4技能全て関して大幅な伸びを見せてくれました。特に4技能教育3年目の中学3年生は、READING, LISTENING, WRITINGの3技能の合計で全国平均を35点上回り、WRITING部門では、高校3年生の全国平均を超えるという素晴らしい成果を上げました。また英検においても、準2級以上(CEFER A2レベル)の合格者が7割に迫る結果を収め、3年間蓄積した4技能教育の成果が確実に実を結んでいることを証明してくれています。高校での更なる躍進が楽しみです。
☆もちろん、この背景には、1人1台のタブレットやタブレット型PCの環境が整っていることと、何より教師も生徒と共に学び、日々パワフルになっていく好循環があるからである。
 
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☆模擬国連部担当の英語科の田中先生によると、模擬国連部の活動の合間に、筑波大学で行われたSGH校の教員を対象とした全米模擬国連ワークショップに参加されたということだ。多くのSGH校の教員とも議論し、影響を与え合うことができたという。
 
☆教師も生徒も高次元のグローバルな知に向かって、他流試合をはじめ多くの体験を積みながらパワフルになっていく。高次元のグローバルな知は、国内大学受験知をはるかに超えるものである。スリリングでワクワクしながらチャンレンジしている教師と生徒の姿を想起するのは難しくない。
 
☆このポジティブでスリリングでワクワクする学内の大きな渦が、富士見丘の新しい世界を描き始めている。

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