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【メモ】エリートやリーダーシップと教育

☆前回記した海陽中等教育学校の説明会に参加して、実に緻密な教育デザインがなされているのに驚いた。てっきり同校はエリートやリーダーシップを育てる教育を目標にすると思っていたが、そこの理解はもう少し緻密な考え方がされている。
 
☆もちろん、結果的にエリートやリーダーシップは生まれるのだが、そこを目標としていない。いったいどういうことか。
 
☆エリートやリーダーシップというのは、自然及び社会の中で、多様な人々と対話し試行錯誤しながら、あるときその参加者及びその場全体から要請されて生まれるという考え方のようだ。
 
☆この自然、社会、人間の関係総体の中で生きるとき、想像力や創造性が豊かになる。最適な判断を下す局面に直面する。だから全寮制学校の意義があるのだろう。
 
☆しかし、だとしても、考えてみれば、そのような体験を教育の中で、すべて行うことはできない。まして、一般のデイスクールでは難しい。できると思ったとしたら、それは教育の万能感に陥ってしまいかねない。そうならないように、一歩距離を置いているのが海陽中等教育学校の精神なのかもしれない。
☆イギリスのイートンカレッジや米国の東部のエスタブリッシュスクールは、たしかにそういう少しストイックともいえる教育観があると聞いたことがあるが、なるほど海陽創設時の着想がそれらの学校と相通ずるところがあったのだから、もっともな話である。
 
☆では、何を目標とするのか?将来いろいろな局面にぶつかったときに、突破口を開き人々と協働して問題を解決していける基礎学力と人間力、そして予測がつかない変化に対して、自己変容できる知性を身につけることが目標なのだろう。
 
☆そのような力こそ、将来、暗黒面をはねのける最善のエリートやタフなリーダーシップを生むことができる潜在的な能力だというのだろう。潜在的な能力を顕在化するだけではなく、顕在化し尽くせない潜在力を内に蓄積することが本当は重要なのかもしれない。そして、それが教養ということなのかもしれない。
 

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