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2019年中学入試の新フレーム(38) 週刊ダイヤモンド受験市場の臨界点示す!

☆週刊ダイヤモンド(2018年3月31日号)の特集は「大学新入試に勝つ!中高一貫校」。3年後に迫る大学入試改革のポイントとそれによって変化する中高一貫校のポジショニングの異変を鮮やかに図表やイラストでデザイン。何が新しくなるかはまでは、今回は取材していないが、変わらざるを得ない境界線、つまりクリティカルポイント(臨界点)までは示唆している。
 
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☆プロローグでは、「開成ショック!」と称して、今年の同校の国語の思考力型問題をまず取り上げている。本ブログでも、3月は、これについて取り上げた記事がアクセス数3位になっているぐらいだ。

参考)2018年首都圏中学入試(55) 開成 国語で思考力入試問題。2018年2月3日記事

☆2018年の中学入試の変化を象徴する出来事と位置付けたのだろう。そして首都圏模試センターの情報を活用して、

①難関校への強気のチャレンジ

②有名大学附属の人気加速

③「思考力」「表現力」を問う問題の増加

④適性検査型入試136校に

➄英語入試が112校に

☆と、大学入試改革に対する不安が、受験生の嗜好性を①や②に向け、学校を③、④、➄に舵を切らせているという流れを準備している。

☆そして、いよいよPART1。巻頭インタビューは、三田国際学園の学園長大橋清貫先生が登場。インタビュアーは、21世紀型教育機構副理事長として、先鋭的な21世紀型教育の実践と21世紀型教育的経営及びマーケティングを行ってきた奥義のさわりを引きだしていた。

①偏差値やブランドで学校を選ぶ保護者と教育の中身で選ぶ保護者の両方がいるが、三田国際ははじめ、後者だったし、そこにイノベーター、アーリアダプターがいるという21世紀型教育機構がはじめ採用したエベレット・M・ロジャース教授やジェフリー・A・ムーアの理論を紹介している。同機構や大橋先生自体は、今ではもう少し他の理論も統合しているが、インタビューではわかりやすい方を提示したのだろう。

②しかしながら、急激に人気が出たために、偏差値もあがり、御三家やそれに準ずるレートマジョリティが羨望する学校ブランドとは違う21世紀型教育のブランド校としてポジショニングをとっているという現状を確認している。

③実際、旧来のブランド校から三田国際にシフトする生徒も出始めている。

④ところが、大学入試改革もグローバルな学びの視点を取り込んだように、21世紀型教育機構はそれに先んじていたから、改革のアテンションがあがる前から、「思考力」「表現力」を問う問題を大量に三田国際は出題してきたために、難関校の過去問対策しか行ってこなかった高偏差値層が合格できないいう現象も起き始めている。

➄ということは、やはり論理的思考力や創造的思考力を養うこれからの大学入試改革に、難関校も適合させていかなくてならない。それゆえ、開成ショックだったのかとそこまではズバリ言っていないが、そういう流れを編集者は作っている。

⑥それから、改革3年前に高校から入学してきた卒業生が今春出るが、その手ごたえは十分あるという話に移り、しかしながら三田国際のような博士号取得者や大学の講師経験者がたくさんいる学校で学んだ生徒が満足できる大学はあるのか、それとも大橋先生が創設されるのかというさりげないナイス切込みをしていた。

⑦現状では、国内外の広い範囲で、卒業生が満足できる大学を探すグローバル高大接続準備教育は行うけれど、そんなチャンスがあったら教育者としてはやれればとは思うと、読者にとっては期待値が高まるような編集になっていた。

☆詳しくは同誌を読んでいただきたい。とにも、この⑥⑦あたりが、大学入試改革や受験市場のクリティカルポイントである。同誌は、ここを臨界点として、それをどう超えるかについては、期待感を大橋先生から引き出すという偉業を行い、そこから先は、臨界点内の、つまり現状の学歴社会の枠内のポジショニングの異変について、わかりやすく図表デザインでまとめている。

 

 

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