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2019年中学入試の新フレーム(39) 週刊ダイヤモンド受験市場の示す臨界点をl超える予兆は?

☆前回、週刊ダイヤモンド(2018年3月31日)の特集「大学新入試に勝つ!中高一貫校」は、3年後に迫る大学入試改革のポイントとそれによって変化する中高一貫校のポジショニングの異変を鮮やかに図表やイラストでデザインしたと書いた。
 
☆つまり、大学入試改革が起ころうとも学歴社会は相も変わらずで、新しい入試問題やカリキュラムに対応できる中高一貫校とそうでない学校とで、偏差値や学歴階層のポジショニングが変わるだけという発想なのである。
 
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☆同誌のわかりやすいデザインで説明したいところだが、著作権の問題もあるから、そのデザインのコアコンセプトを図にしてみた。
 
☆大学入試改革によって、「下位校」(という表現は私は嫌いだが、ここでは学歴社会を前提にしている同誌の言葉をあえて使う)に入ることは、そこで大丈夫かという不安が頂点に達する。だから、なんとかがんばって少しでも階層構造の上位を目指すか、アクティブラーニングや思考力、表現力、英語教育などを行い、入試問題は学校の顔であるから、そのような新タイプ入試を行っているところに希望を見出していくかであると。
 
☆すると、中には、広尾や三田国際、開智、栄東のように渋谷学園教育に「憧れ」(とわざわざ同誌では書き込んでいる)て、ポジショニングをどんどん上げていく学校があり、生徒も入学後満足感が高いという異変が起こると。
 
☆ポジショニングが上位にシフトする学校があるということは、下がる学校もある。これについて、同誌はあまりにも鮮やかに描いている。興味がある方は、同誌を購入して確かめてほしい。
 
☆ところで、三田国際の大橋学園長自身は、この渋谷教育学園憧れによるポジショニングのシフトの考え方は、三田国際には当てはまらないと思っているだろう。
 
☆というのも、この希望の学校は、21世紀型教育校を指しているのに、編集の過程で、ここに21世紀型教育というネーミングをあてるのは、躊躇された、つまり忖度(笑)?があったのだろうが、三田国際は、21世紀型教育機構を牽引する理由は、ポジショニングの変化だけあって、今の学歴社会を温存する大学入試改革の臨界点をそもそも超えようとしているからである。
 
☆低迷する日本社会を支えている教育の枠組みをアップデートしようとするのが、21世紀型教育の本意である。
 
☆そこで、打ち出しているのが「グローバル高大接続準備教育」である。灘や開成、渋幕などもすでに海外大学に送り出しているが、学校全体で準備教育を実践しているわけではない。生徒が自力で行っているのである。
 
☆しかし、英米の学校などは、きちんとキャリアデザインカウンセラーがいて、生徒全員をサポートできる準備教育=プレパトリー教育を実施しているところが結構ある。世界大学ランキングを他人事としている日本では、ピンとこないかもしれない。それゆえ、そこがすでにクリティカルポイントなのであるが、日本の国力回復には、ここを越境する必要がある。
 
☆そして、同誌は、まだ世界大学ランキングという視野で情報を完全に集めていないだろうから、今回は見送っているが、今春、グローバル高大接続準備教育の成果が出始めている21世紀型教育校がでてきた。つまり、上記の学歴社会を乗り越える学校である。
 
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☆ただ、市場規模はまだ小さいから、経済誌としては、そこを取材しても販促力がないので、取材しないのだろう。しかし、新しい事態とはそういうものだろう。上記の図にあるように、グローバル高大接続準備教育に近接しているのは、21世紀型教育校で、従来の言説で語られる難関校は、そこにアクセスするのに時間がかかる。
 
☆この時間の差異が、今起きているポジショニングの異変の背景にあるエネルギーの正体である。なるほど、大切なものは、目に見えないものなのだ。
 

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