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2019年中学入試の新フレーム(62) 奇跡の学校「静岡聖光学院」 真のエリート教育の旗を高く掲げる。②

 
☆副校長星野明宏先生が高く掲げた「真のエリート」という中核コンセプトをめぐって、対話は続いたが、国際交流、ICT、授業などどの視角から議論になっても、そこに「真のエリート」という存在が核となっている確かな手ごたえを感じた。
 
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☆この3月、国際交流担当でありラグビー部監督の佐々木洋平先生は、星野先生といっしょにイートン・カレッジを電撃的に訪れ、ラグビー交流及び語学研修の連携を実施することを決めてきた。
 
 
☆そして、4月にはいってすぐにイートン・カレッジにおける「サマースクール」参加要項について保護者会を開いている。
 
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☆この一連の行動の俊敏さに、実は大いに驚いた。というのも、昨今メディアを賑わしている学歴エリートとはあまりに意思決定のスピードが違うからである。真のエリートを育てる組織とは、意思決定のシステムが実にスピード感のある好循環の組織であると感じた。
 
☆何せ、学歴エリート社会は、決裁のシステムが複雑すぎて、優秀なメンバー1人ひとりの自由な発想は抑えられ、思考停止状態になっているのが普通だろう。しかも、決済システムが何重にも階層構造になっているため、その途中で、コンセプトやビジョンの意味が変質し、方向性はねじ曲がり、信念は見失われ、高く掲げていたはずの旗はどこかに消えていることもままある。
 
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☆もし学校の組織がそれと同じだったとしたら、才能者たる教師や生徒1人ひとりの思考を深めるどころか、好奇心の芽を摘み、思考停止状態を生み出してしまうだろう。
 
☆ところが、静岡聖光学院の組織は、それとはまったく逆である。タフな交渉力と意思決定の俊敏力のある真のエリート集団ということだろう。とにかく、この1年間で、21世紀型教育機構に加盟し、学内の学びの在り方をアップデートし、学びの空間のリフォームにも着手し、イートン・カレッジとの提携にまで到達しているのである。
 
☆意志と理論と実践とが有機的につながっている活力ある組織を形成していなければ、一般の学校組織ではこうはいかない。
 
☆そんなことを思いながら、佐々木先生の語りに耳を傾けていたのだが、なるほどやはりそうだと腑に落ちた。
 
☆佐々木先生は、ラグビーは創造性を生み出すといきなり語った。スポーツに対する私の先入観が砕ける瞬間だった。タフな精神や健全な身体とか、とにも知育徳育体育の一角をなすものであるというステロタイプなものの見方は崩れ去った。
 
☆真のエリートとは、想像力や創造力が強烈でなければやっていけないというのだ。花園に出場する高校生ラグビーチームは15人でゲームをする。したがって、グラウンドには、30人のラガーマンがいるのであるが、その30人がぶつかり合うのである。
 
☆2の10乗だけでも、1024という数になる。それが30人の多様な動きが瞬時にぶつかり合うのだ。駆け引きや対応はもはや無限である。柔軟性なんてアマイものではない。瞬間瞬間の判断の無限連鎖が、試合場には繰り広げられるのだ。
 
☆しかも、どんなに判断力があっても、それを実行する技術や筋力、瞬発力がなければどうしようもないということだ。そして、最も重要なのはチームワークである。man for othersという自分の存在はみんなのためにあるという自己犠牲もいとわない仲間力。
 
☆判断力をTalent、技術や筋力をTechnology、自己犠牲もいとわないman for othersをToleranceと置き換えてみると、インダストリー4.0や第4次産業革命の到来をクリエイティブクラスという概念で20世紀末から予言していたリチャード・フロリダ教授の考え方にピタリと重なる。すなわち、クリエイティブクラスの条件は<3T>であるという教授の考え方が、同校のラグビー部に、あてはまるのである。
 
☆そんなことを思い描きながら、佐々木先生のお話に耳を傾けていたら、ICT整備推進委員長の小山祥史先生が、ラグビーというスポーツでもICTというTechnologyは有効だし、実際活用しているのだと対話に参加してきた。(つづく)

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