2019年中学入試の新フレーム(64) 奇跡の学校「静岡聖光学院」 真のエリート教育の旗を高く掲げる。④
☆田代先生によると、ピエール・ロバート校長は、カナダのカトリックの修道士で、日本のこの地で40年以上教育を行って、この地で一生を終えた。40年以上前というと、日本の大学進学率は20%いくかいかないときだ。
☆そんな時代に、日本にやってきて、日本の子どもたちのために身を粉にして尽力したのである。目の前の生徒にとって未来を拓くカギは、学問や科学であり、「聖光 聖光よ望み湧き わが命拠る アカデミア」と聖光讃歌にあるように、未来を創り社会に貢献するには、大学で研究ができるほどのアカデミアという学問の道を共に歩くことなのだと。
☆もちろん、卒業生皆が、研究者になったわけではないが、探究者としてそれぞれの道で活躍していることは確かである。同校のOBである田代先生も、まさに然りである。
☆しかも、田代先生は、21世紀型教育を開発・実践し、学内外に広めていくプロジェクトリーダーでもある。
☆学問的な探究授業であるPBLをスパンの長い自由研究で実施するのみならず、一回一回の授業にコンパクトにインストールするにはどうしたらよいのか挑戦している。
☆まさに、恩師でありこの学問的な探究授業を切り開いたピエール・ロバート校長のミーム(文化遺伝子)を継承しているわけである。
☆プロジェクト自体、リサーチ―プロトタイプ作成―実践―リフレクション―リファインのループを何重にも回していくPBLスタイルなのだが、それはラグビーの活動にも共通するし、実はICTの活用の創意工夫にも大きなヒントがあるという。
☆田代先生は、知識は重要だけれど、知識を鵜呑みにするのは学問的ではないし、知識を整理して覚えておくだけでは学問的でないと。学問はやはり前人未到の道を切り拓くクリエイティビティが必要なのだと。
☆では、その創造性はどこからくるのだろうか?富士山を仰ぐ丘の上で、寮生活や部活などをしている間にある着想を得ることもあるだろうし、隣接の静岡大学の留学生がアシスタントティーチャーとしてやってきて、異文化との遭遇をするときにはっと気づくこともあると思うと。
☆そして、ICTを活用すると、小山先生は、時間が短縮でき、余った時間でじっくり考える時間がとれるというように、創造性はICTの活用によって生まれる可能性が増えると語る。
☆と同時に、スピード感そのものに創造性が宿るものである。多くの学びの方法論の中にインプロエデュケーションというのがあるが、限られた時間の中で創意工夫するときに創造性が閃くということは多いのだそうだ。
☆このように、先生方の話は、それぞれの持ち場を越境してつながっている。そして、それこそピエール・ロバート校長の想いそのものだし、互いの関係性を俯瞰できる目こそ真のエリートには必要である。目の前の利益や自分のことしか目に入らない学歴エリートがどうやら真のエリートではないというのは、昨今のメディアの報道でも国民のほとんどが思い知らされていることだろう。
☆そんなことに感動して余韻を楽しもうとした矢先、佐々木先生が、田代先生のプロジェクトはすぐに成果をあげなければならない喫緊の課題があるとエールを送った。なんという上昇志向の先生方なのだろう。
☆佐々木先生は、3月にハロー校や東のイートンと呼ばれているマレーカレッジも視察してきたのだが、訪問するたびに交流の話で盛り上がったという。そして、マレーカレッジからは、毎年7月に行われているインターナショナルサミットに参加するように招待され、それを決めてきたということだ。
☆なんという俊敏力!費用は航空券代のみ必要で後は全て先方が負担だという。なるほど、招待というのはそういうことなのである。4名+引率の招待だという。
☆テーマはロボット・サイエンス・テクノロジー。東南アジア各国から招待校が参加するという。また、2月に行われている国際 7人制トーナメントにも同様の条件で招待を受けているということだ。
☆当然、ディスカッションやディベート、プレゼンは英語である。探究活動の成果がここで証明されるというものの、参加する生徒の準備は並大抵のものではない。しかし、ファーストペンギンは、真のエリートの常である。失敗を恐れず、挑戦する精神、そしてその環境を応援するグローバルなコミュニティの存在。破格の真のエリート養成の環境ではないか。
☆まさに、変化を運ぶ風に種をまいたピエール・ロバート校長。校長の分骨が納められている碑の中から、もっとやりなさいと応援している声が聞こえたかのようだ。
(キャンパスにあるピエール・ロバート校長の分骨が納められている石の彫刻は、いつも生徒を見守っている。そのことに気づかず、すてきな彫刻だと思い、イーオンカレッジのパンフレットの借景にしてしまった。しかし、イートン・カレッジとの真のエリート交流を喜んでいることと思う。)
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