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2019年中学入試の新フレーム(72) ≪妥当≫な学校選択の考え方①

☆学校選択は、偏差値と大学合格実績で選ぶということはなくなってきたと言われるが、そもそも偏差値と大学合格実績で選んではなぜいけないのか?実はそんなことはない。エッて思うかもしれない。

☆偏差値が高いということは、人気校だということである。人気校には理由がある。偏差値が高くて大学合格実績がでていないということはあまりないから、両方の指標が高いということは、人気が出るカリキュラムが実践されているということだ。
 
☆だから、塾にいかずに、その学校のカリキュラムで大学合格実績がでたかどうかが、昔から問われてきたし語られてきた。
 
☆さて、そうはいっても、時代は、知識を覚えて、与えられた情報を理解できれば、それでよいという時代ではない。子供の未来を考えれば、知識どうしネットワークを組み立てたり、新しい概念や技術、それこそ新しい知識を創造する思考力も必要とされる。もちろん、創造的思考力の持ち主は、対話が好きだし、主体的な」学習者である。
 
☆このようなコンピテンシー(とか最近呼ばれている)を育成するカリキュラムにすぐに移行できるのは、偏差値が高い学校でも大学合格実績が出る学校でもない場合が多い。
 
☆あるポジショニングを得てしまった学校は、いまさらなぜ改革やアップデートしなくてはならないのか。そんな雰囲気になるものである。一流の学校というのは、常にカリキュラムイノベーションを生んでいる学校であるが、俗にいう高偏差値名門校は、どうだろう?変わらないことが美徳とか嘯いているところも多いかもしれない。
 
☆不変と普遍は違う。普遍は常に未完で未規定だから、日々新たなりなのである。
 
☆そんなわけで、たとえば、30年前、偏差値40弱で、大学合格実績もでていなかった洗足学園が、国際理解教育の徹底によって、英語ができ世界的視野を広めるチャレンジングな生徒が集まりはじめた。最初は東大よりも海外の名門大学にはいった。
 
☆その段階で、注目され始め、偏差値が徐々にあがった。そして、海外の大学も相変わらず進学するが、東大も複数人毎年合格するようになった。すると、偏差値は、今やフェリスを抜くほどになった。
 
☆だから、学校選択は偏差値が上がりそうな学校、大学合格実績がでそうな学校、そのためにカリキュラムイノベーションを行っているところを選ぶという言い方が妥当ということだろう。カリキュラムイノベーションができる学校組織は清浄な空気が流れ、Growth Mindsetで満たされている。
 
☆だから、学校説明会に一歩足を踏み入れれば、その清浄な空気か澱んだ空気か、Growth Mindsetの雰囲気かフリーズされた雰囲気かはすぐにわかる。

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