2019年中学入試の新フレーム(74) ≪妥当≫な学校選択の考え方②
☆≪妥当≫な学校選択の考え方のキーは、カリキュラムイノベーションである。カリキュラムとは時間割表や単位、単元進行表もあるが、それは一面で、授業のそのものの在り方、テストの在り方、評価の在り方、教師と生徒のコミュニケーションの関係総体を、ここでは言っている。
☆20世紀型教育は、カリキュラムと言えば、時間割表や単位の時間、単元進行表のことを言えばそれで事足りていた。授業は講義形式でよい。何をどれくらいの時間講義すればよいのか、その講義で記憶した知識をどれくらい定着させたか、定着度の偏差値の位置づけで評価すればよかった。
☆だから、授業、テスト、評価は、どこの学校もあまり変わらなかったのであるから、カリキュラムの根源的な部分を無視してもかまわなかったのである。結局、大きな違いは、入学時に入ってくる生徒の偏差値の高低と教師の力量。教師の力量は、出身大学の偏差値でだいたい決まっていた。というのが本当のところであろう。
☆だから、時間数を多くすることと単元進行を速めることと、余裕ができた時間で難問をトレーニングできるところが生徒を集めてきたし、大学合格実績を出してきた。
☆その学校を選択してきたのは、20世紀においては≪妥当≫だったのである。
☆しかし、それは、今や時代の精神に照らし合わせれば、≪妥当≫ではなくなってきた。それは、日本にいると感じとりにくいが、世界の政治経済につながっている限り、日本も世界の軍事力、経済力、教育力の関係につながっていた。
☆20世紀前半は軍事力>経済力>教育力の時代。戦後は、経済力>軍事力>教育力だった。したがって、戦後の20世紀型教育が、その時代の経済や軍事力に役立つ知識再生産をせざるを得なった。
☆しかし、この政治経済の関係が、もはや持たない臨界点に達していることは、世界を巻き込んで注目されている隣国の状況や国内政治や官僚の権力関係のゆらぎを見れば明らかになっている。
☆21世紀は、まだ過渡期であるが、教育力>経済力>軍事力というアルビン・トフラーの言うパワーシフトが起きているのである。この世界を実現する教育は何かという未来創造のための知の力が試されているのである。
☆したがって、カリキュラムイノベーションを行っている学校の選択というのが≪妥当≫なのではある。(がしかし、・・・つづく)
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