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2019年中学入試の新フレーム(77) 香里ヌヴェール学院 アップデートの手を緩めない

香里ヌヴェール学院は、21世紀型教育改革を断行して2年目にはいる。今春も小中高のすべての生徒募集において成功した。2年目にして、学内の教室はすべてフル回転。
 
☆C1英語を目指すイマージョン教育×PBL×ICT×リベラルアーツとしてのSTEAM×man for othersというカリキュラムイノベーションをぶち上げたのが、大阪の受験生・保護者に受け入れられた。
 
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(左列が校長・教頭・主幹グループ、右列が経営企画室グループ)
 
☆しかし、教育アップデートの手を緩めることはない。校長、教頭、主幹のグループも、経営企画室もそれぞれ新たなメンバーを迎え、定期的に戦略モニタリング会議を開いて、しなやかで強い組織をいかに作っていくか、カリキュラムイノベーションのバージョンアップをどうしていくのか、教師力の質の向上をどうするのか、生徒1人ひとりのかけがえのない存在価値を彼らが自らいかに高められるのか等々、対話が始まっている。
 
☆対話のレベルは、ハーバーマス=コールバーグ的な基準でいえば、前慣習段階を超えて慣習段階レベルのコミュニケーションが行われている。がしかし、石川学院長は、このチーム自らが、最終の脱慣習段階に突き進む必要があると考えているという。もっとも、さらにその上の段階があるのだが。。。
 
☆一般に、学校組織は、主観的コミュニケーションがベースでそれでも回ってきた。それがデータなどを活用しながら、主観のレベルを脱し、あたかも客観的で、科学的に話し合えるという疑似対話レベルにまで次元がアップするとカリキュラムイノベーションが動き始める。そう!イノベーションの時代がやってきてしまった。
 
☆しかしながら、それは、まだ客観性というインター主観のモノ化したものでしかないことに気づかない。そこを開いて、コト化へと鳥瞰と虫瞰の往復運動ができる複眼思考ができる脱慣習段階へと進まないと、本格的にアップデートできないと、石川一郎先生は考えている。
 
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☆このモノ化からコト化へシフトするには、アートとDD(ダイアローグ&ディスカッション)の文化を生成することである。つまりADD作戦である。簡単に言うとC軸思考思考の清浄なる空気を満たすことであろう。
 
☆経営企画室のメンバーのADD手法は様々だ。トルソー戦略、イマジン戦略、ニュートン戦略、エッシャー戦略、ルビンの壺戦略、デシャン戦略、碁石戦略、メイヤスー戦略などなど。
 
☆今回は、デュシャン戦略でいくようだ。
 
☆この戦略は、今春のように2年で生徒数が倍増するという環境になった直後でしか使えないからだ。
 
☆というのは、生徒がそれだけ、増えるということは、新しい教師を雇用することにもつながる。すると、採用の時に、21世紀型教育を行う意志のある教師というのが条件になるから、授業が即PBLになるというわけだ。
 
☆1年目の改革時は、教師にとっては未知の世界へ導かれる思いで、幾度も難しい局面にぶつかるのだが、そこを乗り越え生徒募集が成功すると、21世紀型教育が当たり前という教師が採用されてはいってくる。
 
☆校長、教頭、主幹という新体制のメンバーは、全員21世紀型教育を支持しているのだが、すでに働いている教師はすべてがそうだというわけにはいかないのは当然である。
 
☆21世紀型教育を進んで行う教師と苦労している教師とが存在するのはどこでも同じような状況だ。そんなところへ、21世紀型教育は当たり前だと考えている教師が集団ではいってくるとどうなるか?これがデュシャン戦略である。一気呵成にアートのパラダイム転換が起こったように、価値の転換のウネリが起こる。
 
☆脱慣習段階のコミュニケーション行為の段階に上昇するのである。
 
☆私も、6つの授業を拝見した。そのうち2つはすでにいる先進的教師の授業、4つは新しい教師の授業。すべてがPBLの授業で、なんといっても「思考スキル」という細心のリアリスティックリフレクションの配慮と大胆なビッグクエスチョンへの飛翔が仕掛けられていた。
 
☆改革のビフォー・アフターでの大変貌ぶりに驚愕したが、さすがは、石川一郎先生、アーティスティックなアップデート戦略、脱帽である。
 
☆最も、経営企画室のリーダーである天才カトリック改革者高橋博先生の存在を忘れてはいけないが。高橋先生と外部の一般の先生方とはまず話す機会がないから、意外と知られていない。
 
☆つまり、改革の成功の本当のところは、どこの学校でもそうであるが、全貌は見えないものである。つまり、トルソーなのである。あるいは、目を閉じて地球の回る音を聞いてごらんというイマジン戦略なのである。

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