2019年中学入試の新フレーム(79) 世界を創る方法を学べるかが大切。
☆世界は、多角的複眼的な問いを見つけ、一つひとつ創造的解決していく過程で、新しい関係態が生まれてくるが、その関係態こそ新世界である。
☆その多角的複眼的な問いは、思考スキルというエッジが切り開く。
☆数学的発想は、置き換えスキルとそのバリエーションである変換、転換というスキルによって世界を創るヒントを見つけることができる。
☆数学的発想というと、東大や京大の数学の問題が解けるかどうかの発想ではない。もちろん、それも包括するが、別に東大、京大の数学の問題ができないからといって、世界に何か影響があるかといえば、大してないだろう。
☆にもかかわらず、そこに時間を費やすという恐ろしいことが今の教育で行われている。そうではなく、たとえば、ニュートンのプリンキピア。微積の方程式を幾何学に≪置き換える≫というスキルを活用している。
☆トポロジーは、新化学物質を生み出す時の≪置き換える≫スキルを提供しているが、これがノーベル賞につながっているわけだ。
☆大事なことは、東大や京大の数学を解けることではない。文系に進む生徒も理系に進む生徒も、このような置き換えスキルを活用することができる数学的発想のトレーニングが必要なのだ。
☆置き換えスキルを少しずつズラしていくことで、変換が起こる。変換の連続がやがて、転換を生む。パラダイム転換は、数学的発想が大いに重要なのである。
☆レトリックというと、詩学とか物語の制作だということになるだろうが、これは言語領域の発想である。アリストテレスは、このレトリックの範囲に詩学を入れているだろうが、なんといってもトピカが重要な思考スキルだ。
☆このトピカがのちのキケロの雄弁術になり、雄弁術はディスカッションやディベートのもとになっていく。当然、近代には、それは法律学の1つのスキルとして取り扱われる。
☆だから、B2英語ではなく、C1英語というコトになるのである。
☆かくして、多様で多彩な現象世界が、本来的な世界が現れないように蓋をしているのだが、その蓋を外すには、この数学的発想とレトリックを呼び覚ます思考スキルの再発見が必要になる。
☆いずれにしても、予測不能な激動の時代にいる生徒は、未来において既存の世界の中でパーツとして働いて、その中で椅子取りゲームをして生きていくのでよいのだろうか。
☆世界は自分たちで創ったほうが楽しいのではないか?もちろん、そのときモノ化した世界を創るのか、コト化した世界を創るのか。暗黒面とジェダイの興亡は果てしないく繰り広げられていくのであろうが。
☆少なくとも、隷属するよりはましだろう。さて、世界を創るか、世界に隷属するか。世界を創る学校とは、実はシンプルに数学的発想とレトリック発想を生み出す思考スキルをトレーニングする学校である。
☆多くの体験的現象(教科書追認的な実験をやって、実験をやっている気になっている現象も含む)やモノ化した外部人材をつないで、学内が翻弄されているのを、改革の息吹が立ち上がっていると錯誤し、そのような幻想に支配されている学校はコスパが悪い。
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