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思考コードで見る「教育・産業・社会」(23) 思考コード=開放系思考力育成の機会を1人ひとりに。

☆ビヨンド(2018.03.21 06:30)に、やつづかえりさんの記事≪「クォータ制」で真の女性活躍は進むか?その功罪を考える≫が掲載されている。その記事によると、

3月8日は国際女性デー。イギリスの経済誌『Economist』は、毎年この時期に「ガラスの天井指数(The glass-ceiling index)」というランキングを発表している。これはOECDに加盟する29の先進国を対象に、女性の活躍のしやすさを、教育、職場における男女格差、子育て支援などの観点から数値化したものだ。日本は28位で、韓国に続くワースト2位となった。

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☆そして、「ジェンダーギャップ指数」(世界経済フォーラム:2017年、日本は144カ国中114位。項目別には、健康:1位 教育:74位 経済:114位 政治:123位)についても引用し、これについて次のような分析をしている。
「教育」も1位の国が27カ国あり、74位の日本は特に良い成績とはいえない。さらに詳細を見ると、識字率、初等教育、中等教育については日本でも男女平等が実現しており、高等教育の在学率の男女差が順位を落とす原因になっている。
☆このことの意味するコトは、日本では、女性にC領域思考力を学ぶことを制度的な文化としとて阻止してきたということを示唆している。
 
☆思考コードでいえば、中高時代のA領域思考力だけ身に着ければそれでよいのだと。しかし、これは女性だけではなく、男性にも言えることだ。大学に入ってからC領域思考力は身に着けよと。それまでは、A領域思考力で十分だ。高偏差値の生徒はB領域思考力を身に着けよと。
 
☆つまり、女性に対する二重の抑圧がここにはある。1つは、今述べたように、端的にC領域思考の学びの機会を奪ってきたという抑圧。もう1つは、男性の方に高等教育で学ぶ機会を多くすることによって、男性と女性のギャップを生み出し、それが本来は男性の中にもギャップがあるのに、それを見えないようにマスクをかけるために、全体として男性と女性のギャップの幻想をつくるという抑圧。
 
☆C領域思考力のあるなしのギャップと制度的文化としてのギャップ。そして、この制度的文化が、日本の道徳である。本来の自然状態と社会状態のバランスをどうとるかという啓蒙思想的な道徳ではなく、150年前の明治近代日本国家成立以来の制度としての文化道徳。
☆法典論争で吉田松陰の最年少門下生山田顕義はそれに抵抗するべく奔走したが、法律進化論が勝利してしまった。その後ずっと、これは日本近代法の中に埋め込まれた。そして、戦後も制度的文化として生き延びてきた。
 
☆そう、2018年は、1868年の明治改元から150年経過し、「明治150年」という言葉で各メディアが特集を組んでいく年だ。
 
☆明治に学ぶ光の部分ももちろんあるが、明治からはじまる闇の部分もある。その一つに男性と女性のギャップがある。もちろん、それ以前にもあったが、権利概念が始まる近代国家で新たにそのギャップが正当化されてしまったという点では、新しい局面が始まったと考えたほうがよい。
 
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☆これを解消するには、すべての国民がC領域思考力を学べる機会を創ることである。クリティカルシンキングとクリエイティブシンキングがそれだ。したがって、初等中等教育や高等教育、またその節目節目の入試問題において、C領域思考力を排除するような言動は、なんとかしなければならない。
 
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☆少なくとも、このような教育や入試問題に対し、公平性がないとか、よくわからないとか高笑いしながら語る方は、男性と女性のギャップをはじめとするあらゆるギャップを生み出す抑圧に加担する自分たちを正当化するために、防衛機制を働かせている人であると了解したほうがよい。

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