2019年中学入試の新フレーム(100) 首都模試教務陣の画期的な思考力探究。
☆生徒がいかに合格学力を身に着けていくことができるか、そのメッセージを生み出すリフレクションシートとして役割を果たす成績表の在り方をメインに探究している。
☆そのために「思考コード」というコア・コンピテンシーをカテゴライズしたり、そのコンピテンシーを実現する「思考スキル」の炙り出しをしたりしている。
☆このコードやスキルは、常に未規定性を内包し、プロトタイプをつくっては、データ分析によってリファインしてきた。3年目になり、だいたい安定してきたので、成績表や解答解説に埋め込んでいる。
☆しかし、それで安心することなく、もっと洗練していくために、リフレクションミーティングがなされているわけだ。
☆実はこれによって、テストデザインの方法、実施後のリフレクションの方法がアップデートされてきている。結果、テストや評価の信頼性や妥当性をデータを活用して議論できるステージにシフトしている。このような、テストデザイン手法や評価方法の研究をしているところは、他にないだろう。
☆また、テストの側面からであるが、生徒1人ひとりの学びの特徴も仮説がたてられる。テスト分析のケースメソッドとして、特に麻布、開成、武蔵の問題はよく分析対象にしているので、私立学校の知のエッセンスを活用することができる。
☆統一合判が御三家そっくり模試なわけはないが、現象としてコンテンツが類似しているということではなく、思考のプロセスや学びのストラクチャーを分析して応用しているのである。
☆御三家の入試問題、特に麻布の問題は、知識・理解の問い(A軸思考)だけではなく、ロジカルな問いやメタファー視点の問い(B軸思考)やクリティカルシンキングやクリエイティブシンキング、メタ認知、エンパシーを問う(C軸思考)が構造的に組み込まれているから、教務陣も目を輝かせながら分析したり議論を進めたりして、生徒の学力を伸ばす学びのストラクチャーを発展させることができる。
☆かつてテストは、学びの到達度を測るのが主流だったが、それはA軸思考の問いだけで構成していたからである。今では、B軸思考とC軸思考(C軸思考は最難関模試で主に出題するというように模擬試験の性格によってデザインを巧むことができる)の問いとその結果を可視化する成績表を出すことによって、生徒1人ひとりが、そのリフレクションを通して、個々人の今後の学び方のヒントを発見できるようになっている。
☆合格学力のみならず、激動する未来をサバイバルする知の基盤をつくることにも寄与することになる。首都圏模試センターの教務陣は、謙虚な人格者集団なので、自分たちはそんな意識は持っていないだろうが、エポックメイキングな仕事しているのだと私は思っている。
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