2019年中学入試の新フレーム(102) かえつ有明 柔らかい対話で満たされている。
☆かえつ有明の対話の時空は、誰ともなく、自然に話し始める場で、その形式ばった境目がないシームレスな感じがイカしている。
☆今回は、広報部主任の内山先生が口を開いた。一般的には、2020年の大学入試改革がどうなるのか不安な時代だから、長い年月をかけて積み上げられてきたサイエンスというプログラムが、「主体的・対話的で深い学び」の先駆けとして実績が認められたからであり、また英語教育のこれだけの話題性が、もともと実践してきた帰国生を受け入れる環境がマッチングしたからだと認識されていると思うが、それだけではないと。
☆もちろん、たしかに、それはそうではあるし、評価されてとてもありがたい。しかし、それだけではない大切なものがあることを今年はなんとか伝えられればと思っていると。ではそれは何か?やはり、学内に対話の大切さが共有され、浸透しているという、目には見えないけれど、教師も生徒もお互いの存在を認めあえる空気感が共感共振共鳴されているからではないかと。
☆佐野先生、金井先生が、かえつ有明にやってきて、その対話の種を、多様な研修に先生方を巻き込んで育ててきた。それが今、点が面に広がり、好循環を生んでいるという。
☆NVCのトレーニング、パターンランゲージの授業への応用、アクティブラーニングへの転換、アクティヴラーニング入試の創出、キャリアデザインの展開など、すべてにおいて研修を埋め込んできたし、今も埋め込んでいる。
☆このすべての活動に、共通しているものは、「対話」である。そして、ここで醸成された「対話」が、日常のすべての教育活動に染みとおるように、佐野先生は風のように飛び回っている。静かな嵐を呼ぶ教師。
☆何より興味深いのは、この「対話」が生徒にも染みとおり、生徒1人ひとりが自分の存在、仲間の存在が生かされるプロジェクトを多数立ち上げていることである。
☆しかしながら、このような「対話」の時空がかえつ有明の学内に広がっていることは、メディアというデジタルな活字によっては、なかなか伝わりにくい。
☆にもかかわらず、説明会に足を運ぶと、保護者は身に染みるほどその柔らかい対話の心地よさを感じるというのが、受験業界での評判でもある。
☆目には見えない大切なものは、広報しづらいにもかかわらず、実は感染するかのように、きちんと伝わり広がっていくのである。佐野先生と金井先生の大切にしている共感的な対話が、それを成しているのだろう。
☆さて、その共感的な対話や柔らかい対話とはいかなるものか?実は、ここが肝であり、対話についての対話が深く広く展開していったのだが、それをここに再現する力は、私にはない。あまりに深淵なのである。
☆保護者に大切なものが伝わる対話であるからこそ、その対話が何であるかはそう簡単に語れない。この語り得ぬ淵に、実は真理はあるのかもしれない。
☆しかし、だからといって、感覚的に互いに了解しているだけではなく、佐野先生は、東大大学院でエスノグラフィーの手法でそこを解明しようとしている金井先生のアカデミックな切り口に応援を頼んでいる。
☆また、長年哲学を研究し、哲学カフェを開催し、対話を多くの人々と実践してきた古賀先生(社会科)の哲学的アプローチによる知見を大いに頼りにしている。
☆佐野先生は、今後、対話の実践とそのシステムのリフレクションを同時に展開していくが、早速、その一つの成果が、近日中に世に出るということだ。いったいそれは何だろう。その連絡を楽しみに待つことにしたい。
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