2019年中学入試の新フレーム(110) 聖学院 柔らかい対話と柔らかい幾何 発想に満ちた男子校。
☆毎月楽しみにしている、聖学院の学びのデザインWS。同校の21教育企画部長児浦先生が座長で企画運営している。私もファシリテーターとして参加している。
☆ベースは、創発型スクライビング(Emergent Scribing)で行っていく。例えば、今回は、児浦先生の数学の授業を7分間で語ってもらい、同時に仲間の先生がフローチャート化して転写していく。
☆そして、再現プレゼンをしていただく。語り→図式化→語り・・・を繰り返していく。その中で、コアのキーワードが自然とでてくるから、それをテーマとして取り上げ、また語り→図式化→語り→・・・とどんどん置き換えるディスカッションをしていく。
☆そして今回は、学びのプログロムデザインテクノロジーの探究を深めている聖学院の内田先生が、リフレクションカード(RC)を使って、ディスカッションを深めようと提案。ES×RCワークショップとなった。
☆柔らかい幾何の授業を展開した児浦先生は、テーマに「ワクワクを感じるとき」を選んだ。それについて、児浦先生が自由に語るというのではなくて、仲間1人ひとりが、カードから選んだ質問をして、それに児浦先生が応えていくというスタイル。
☆自分が思ってもみなかった問いを投げかけられ、さらに暗黙知が露になってくる。また質問した仲間も、今度はフィードバック用のカードから、気になるアイテムを選んで、それについて児浦先生に語りかけていく。
☆テーマ選択→質問→語り→フィードバック→語り→・・・とどんどん目に見えないステージが変わって、大きな渦になっていく。最後に児浦先生が、自分の語りや仲間のフィードバックを通して、自分の感じたこと考えてことを述べていく。
☆そして、今度は、このリフレクションカード(RC)を使ったワークショップをさらにリフレクションするというメタ認知型問いを投げて、ES(創発型スクライビング)に還っていく。
☆リフレクションカードを使って語り合った自分たちは何をやっていたのかをESの流れで語り合っていく。ホワイトボードが創発カードなので、一つのトピックを一枚のホワイトボードに記述していく。書かれたものがどんどん変容して質が深まっていく「対話」が自然と生まれる。
☆児浦先生の柔らかい幾何の授業から柔らかい対話が生成される機会となったわけだ。
☆しかし、このワークショップによって、この対話が初めてできたということではない。すでに柔らかい対話に満ちている聖学院だからこそ、こういう事態となったわけである。
☆ワークショップをアップデートする新しいプログラムのアイデアが内田先生から生まれたように、柔らかい対話があるからこそ、人間存在の根源的な不安を分かち合い、その都度それを乗り越える意志が生まれ、方法論が創発されるのだろう。
(柔らかい対話は、物理的な時間から内的時間に転換する瞬間の生成にかかっているという分かち合いも行われた。)
☆レッドオーシャンの中で、外から与えられた脅しによって不安なり、本来的な不安を忘却され、それに鬱屈させられる現代社会の病理は、ブルーオーシャンという美の広がりをもってしてしか解決がつかないかもしれない。
☆その根源は柔らかい幾何と柔らかい対話のループ。そこから生徒1人ひとり自分自身とは何者かを創発していくことになるのだろう。それを可視化し続けるワークショップが教師にも生徒にも聖学院にはあるのである。
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