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2019年中学入試の新フレーム(93) 工学院 世界に向けて インタークラスのユースプロジェクト

☆工学院大学附属中高(以降「工学院」)のインタークラスは、週に1日、大学の新宿キャンパスで学ぶ。授業は、当然すべて英語。大学の講義、中国語、哲学授業、コンピュータサイエンスの授業が展開している。
 
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(英語でプログラミングの授業のシーン。)
 
 
☆そして、授業終了後、90分くらい、高1と高2の生徒によるユースプロジェクトのディスカッションが行われた。石坂先生がスーパーサポーターで、高校生はプロジェクトメンバーでありながら、自分たちが将来(といってもはやくも5月27日に始まるのだが)ファシリテーターになれるようにトレーニングしていく。
 
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☆大学を卒業して社会に出るというトラッジッションにおいて必要な何かが、中高時代に学ばれているか?そんなテーマに対して、「学び」そのものを学んできたはずであり、その学びについて意識して考えたことはあっただろうか?と。
 
☆学ぶ対象がなんであれ、その根本には「学び」がある。勉強もその学びの1つであるが、工学院の知的環境は、教科や授業を超えて「学び」が展開している。
 
☆それほど重要な「学び」であるにもかかわらず、その正体は暗黙知のままである。そこで、世界に通じる学びとは何か?について、ディスカッションしていくことになった。
 
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☆最初は、個々人が自分のイメージする学びについてダウンローディングしてポストイットに書き込み、プレゼンをした。
 
☆互いに信頼関係ができているから、その一つひとつをよくみて、互いにもっとおもしろくなる点を追加していった。
 
☆自分の考えの段階から互いの考えや感じたことを受け入れる段階になった。基本的にディスカッションのレベル1である抑圧的コミュニケーションは少ない。
 
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☆相互リスペクトする双方向型コミュニケーションが得意な仲間であるから、ディスカッションレベル2からスタートできている。
 
☆したがって、各メンバーの考えを合わせて、新たな学びのフローチャートをデザインするレベル3のディスカッションにすぐにもジャンプすることができた。
 
☆ディスカッション2からディスカッション3にジャンプするには、カテゴライズのためのディスカッションをしながら、各カテゴリーのネイミングを決めていく。そして、そのネイミングを書いたポストイットだけをホワイトボードに貼りながら、アルゴリズムというかフローチャートをデザインしていく。もちろん、ここも話し合いながら。
 
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☆フローチャートができたら、その学びのシステムを言語化し、検証していく。いくつかのビッグクエスチョンについて、そのフローチャートに従って考えていくことができるかシンキングタイム。そしてプレゼンを繰り返した。
 
☆ここの議論も実に知的でスリリングだった。検証した後、この学びのシステムは世界を変えることができるのかという問いがまた新たに生まれたのであった。
 
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☆もちろん、即効力はないかもしれないが、この反復は変えることになるということだった。では、その検証はどうやって?とユースプロジェクトのネバ―エンディングストーリーは始まったのである。
 
 
☆それにしても、工学院のインタークラスの生徒のデザインした学びのシステムは、認知科学や教育学、学習理論、教育社会学などで議論されているものと引けを取らなかった。すでにそのような学びを暗黙知として彼らはすでに有しているのだろう。
 
☆小さく始まり大きな動きになる予感。その原点がユースプロジェクトからとなるのかもしれない。大いに期待したい。
 

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