2019年中学入試の新フレーム(97) 中学入試市場に、現象の根本をつかむ対話ができる人々が出現しはじめた。
☆その響きとは、理論物理学者であり哲学者だったデビッド・ボームの語る意味での「ダイアローグ」が開く「内蔵秩序」。目に見える現象を超越した、より根源的レベルにある全体性のことを意味する。
☆ボームは、しかし、日常生活というか世間は、「内蔵秩序」を隠してしまう「顕前秩序」を大切にしてしまうと語っている。人の目に見える「部分」として立ち現れる現象だ。
☆ボームは、この気ぜわしい、喧騒の功利主義的な日常から静かな自然な状態を創り出して、気をそらされることなく、仲間と信頼し合い、顕前秩序から内蔵秩序に耳を傾け、語り合えば、人類に多大な可能性があることに気づくだろうと語る。
☆ところが、日常は、関係のない些細な部分的な現象にとらわれ、じゃまされて、再び内蔵秩序は顕前秩序にすり替わってしまうものだと。
☆しかし、なぜそのようなバグが入り込んだのか、探究して、入り込まないようにするコトもダイアローグとしての学習の大事なプロセスなのだと。だから、気を散らされる場で、顕前秩序に振りまわされず、内蔵秩序を見出し、個人のそして同時に組織の無限の可能性を見出す強さも必要なのであると。
☆つまり、気ぜわしい顕前秩序(現象)があるからこそ内蔵秩序(根源の無限性)を欲求するというのだろう。今、中学入試市場では、この顕前秩序がある一方で、内蔵秩序を求めようとしている上田氏のようなファーストクラス&クリエイティブクラスが集まってきている。
☆そして、そのような内蔵秩序の響きを爽やかに強く奏でる先生が学校にも出来(しゅったい)するようになった。昨夜お会いした工学院大学附属の田中歩先生と聖パウロ学園の大久保圭佑先生も、顕前秩序で沸き起こる些細な部分の洪水の中に、颯爽とそして強いマインドで、内蔵秩序を見出し、その響きを共有する仲間を増やしている。その仲間とは、同僚だけではなく、生徒もそうだ。そして全国の教師とのネットワークも拡大している。
☆上田氏も、田中先生も、大久保先生も、共通しているのは、バイリンガルだというコト。創造的思考力を大事にしているコト、ボームが言う意味でのダイアローグをベースにしているコトであろう。
☆だから、私のようにモノリンガルには、拡大できない異次元のネットワークを増やしていくことができる可能性に満ちている。
☆しかし、不思議なことに3人のような人々と私もダイアローグすることができる。させて頂いているのかもしれないが、ともあれ、それはなぜだろう。それは、内蔵秩序では、新たな言語が沸々と生成され、その言語をいっしょに創発しながらダイアローグできるからなのではないのかと仮説を立てている。
☆創発言語でダイアローグできるディスカッションワークショップを、田中先生、大久保先生、そして今週ダイアローグする予定の聖学院の児浦先生は、いままさに創り上げようとしている。顕在秩序と内蔵秩序を往来できる教師と生徒との出会いの場である。今月27日のプレ「グローバル教育カウンシル」で実施する。
☆今、中学入試市場に新たな風が吹いているが、その風を巻き起こしている人々は、内蔵秩序を見出す創発言語を有しているのであろう。古い顕前秩序→内蔵秩序→新しい顕前秩序・・・という循環を生むダイアローグの響きに耳を傾けよう。
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