2019年中学入試の新フレーム(98) 学校選択は、内蔵秩序を見出せるSGTを探せ。
☆そして、この<EOn→IO∞→EOn+1>という部分と全体の循環をファシリテーションできる教師をSGT(スーパーグローバルティーチャー)と呼んでいる。このSGTで満ちている学校を探すことが、未来において子どものかけがえのない存在価値をつくることになろう。
☆つまり、クリエイティブクラスになったり、イノベーターになるには、この循環ベースのダイアローグが重要になるのが、これからの時代の要請であり、2020年大学入試改革の本意もそこにあるが、例のごとく部分的なことにこだわる喧騒の荒波が襲い、IOが見えにくくなってもいる。
☆だからこそ、その大量の些末なこだわりの嵐に吹き飛ばされないしなやかで強いSGTの存在に期待がかかるのである。
(聖パウ学園大久保先生、工学院大学附属田中先生)
☆このファシリテーションは、デヴイッド・ボームのイメージするダイアローグに近い。今回何人かのSGTは、この<EOn→IO∞→EOn+1>が生成されるディスカッションワークショップのプログラムのプロトタイプをつくっては、リファインしている。
☆というのは、ディスカッションのステージは上記の図のように3つあるが、ステージ3までいくだけでも大変な道のりなのに、ステージ3につくや戦略的コミュニケーションが支配し、再び内蔵秩序を見えなくする暗黒面が出現する可能性があるから、常にリファインし続けなければならない。
☆イノベーションは、確かに戦略的コミュニケーションからも生まれるが、デヴィッド・ボームの言う意味のダイアローグに重なる創造的コミュニケーションによっても生まれる。
☆SGTは、戦略的コミュニケーションを排除するものではなく、創造的コミュニケーションとの平衡とか最適化を企図する。生きるというのは、現実と理想の関係総体で創発されるからだ。
☆理想だけを追究すると、実は理想という顕前秩序という部分を追って、袋小路に迷い込んでしまう。これは現実だけ追究していても同じことである。アダプティブリーダーとしてのSGTが21世紀型教育で求められているのは、予測不能な時代であるからこそなおさらである。
☆かくして、現実主義という顕前秩序、理想主義という顕前秩序がのかなたに清涼な風が吹きこんこんと泉が沸いている内蔵秩序が必要であることについて、デヴィッド・ボームは、自著の中でこう書いている。
対話では、人を納得させることや説得することは要求されない。「納得させる(convince)]」という言葉は、勝つことを意味している。「説得する(persuade)」という言葉も同様である。それは「口当たりのいい(suave)」や「甘い(sweet)」と語源が同じだ。時として、人は甘い言葉を用いて説得しようとしたり、強い言葉を使って相手を納得させようとしたりする。だが、どちらも同じことであり、両方とも適当とは言えない。・・・・・・もし、何かが正しいのであれば、それについて説得する必要はないだろう。・・・・・・・誰もが意味を共有できるならば、それは共に参加していることになる。・・・・・・こうして参加することによって、共通の考え方が生まれるが、これは個人を排除することにはならない。個人はそれぞれ別の意見を持っていて、そうした意見が徐々にグループの一部にもなっていく。
☆すなわち、ディスカッションのステージ3においては、化学反応が生まれる。創発的言語とか創造的思考がそこでは広がっているのである。
| 固定リンク
「中学入試市場」カテゴリの記事
- 2019年中学入試の新フレーム(194) 聖学院 人気の理由は「垂直比較」(2018.07.25)
- 2019年中学入試の新フレーム(193) 順天 自分の未来を変える教育(2018.07.23)
- 2019年中学入試の新フレーム(192) 2021年度早稲田大学入試改革ショック!(2018.07.22)
- 2019年中学入試の新フレーム(191) 和洋九段女子 合格ナビゲートの冊子つくる。(2018.07.21)
- 2019年中学入試の新フレーム(190) 水都国際中学校・高等学校 全貌公開もうすぐ!(2018.07.20)
最近のコメント