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【C軸思考問題】 本郷と開成の違いは難度だけ。しかし、自ら階層構造を造る入試問題にも創造性のヒントあり。

☆前回と同じように、本郷一回目入試と開成の偏差値レンジ別合格率(首都圏模試センター判明分)ををグラフにしてみた。難度以外の違いがないためにできてしまうきれいな階層構造を意味するグラフになった。改めて階層構造は塾だけがつくるのではないのだということが了解できた。
 
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☆本郷①では、偏差値75以上は受験していないうえに、(イ)の領域のように、難度の違いだけしか意味しない領域が現れた。
 
☆A軸B軸思考の難度の違い。つまり、正答率が高いか低いかだけの差異である。C軸思考力を身につけていてもいなくても関係ない入試が本郷①と開成では行われている。つまり、知識とロジカルシンキングという客観的世界。それは子供にとっては外部の世界であり、内部からこんこんと生まれている世界ではない。
 
☆あとは、中高に入学してから学校が育てるからよいのだというのでも悪くはないが、小学校5,6年の多感で、アスリートと同じくらいの体力があると言われている年齢のときに、外部の世界に左右されながら判断する生活をするのは、そろそろ変わる時がきたのかもしれない。
 
☆開成ショック問題が、そのような時代の声に耳を傾けた結果出題されたのならすてきなのだが。
 
☆しかし、そうはいってもすぐには変化が起きない。では、12歳の時期にA軸思考B軸思考、実際にはA軸思考>B軸思考という勉強の中で、C軸思考を育成することはいかにしたら可能なのか?
 
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☆実は、一瞬ではあるがそれは可能なのだ。3種類の軸は、すべて3つのレベルがある。実はどの軸でも、子どもが自らレベルをあげるとき、まずはやってみようと試行錯誤したり創意工夫したりしている。
 
☆このことを子供が意識するリフレクションやフィードバックが行われたり、受験塾ではなかなか難しいだろうが、ペアになって語り合うことによって、その子供にとってC3思考が作動するのである。
 
☆もちろん、リアリスティックアプローチのリフレクションやフィードバックの実践に基づいた仮説で、データによるエビデンスはまだないが、体験上そう感じる。
 
☆模擬試験におけるレベルというのは、その子供にとってではなく、平均的な子供にとってのレベルだから、個人によって実は感じ方が違う。個人によってレベル1だったり、レベル3だったりする。
 
☆そして、だからこそ、ファシリテーターがそれぞれの子どもの主観や感じ方の違いを大切にして、「最近接発達領域」を見出すことができるわけである。
☆その領域の発見と共有のプロセスこそC軸思考の体験値を積む瞬間なのである。

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