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【C軸思考問題】 思考コード分析でわかるコト③ 2種類の「思考とスキル」

☆思考コードごとに、偏差値レンジ別の正答率のグラフをみてきたわけだが、これを簡単に次のようなグラフに一般化というかイメージ化してみる。曲線は2種類にまとめられる。横軸は、偏差値でなくてまったく構わない。スコアレンジでかまわない。縦軸はそれぞれのレンジの反応率とする。
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☆今までみてきたグラフから曲線は2種類にまとめられるわけだが、1つは、基本的な思考スキルαのトレーニングで、正答率(反応率)が高くなっていく、累積思考曲線(と名付けておこう)。
☆もう1つは、ある時点から、急激に右肩が上がりになる創発思考曲線(と名付けておこう)。この急激に右肩上がりになる時点では、思考スキルの統合が核融合的に起こるので、発想スキルも含む思考スキルωに気づく必要があるが、思考スキルαを積み重ねていくだけでは気づきにくい。
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☆「累積思考」の場合は、意識不足の思考スキルαを十分に意識して活用できるようにトレーニングしていく。活用できていない部分を一つひとつ丁寧に埋めていくわけだ。何が不足しているかは、対話によって明らかになるが、首都圏模試の「統一合判」の解答解説書に、一問ずつ丁寧に思考コードと思考スキルが明示されているから、それを読めば理解できる生徒もいるだろう。
☆「創発思考」では、思考スキルαは、すでに活用できる段階になっているだが、そうなってさえいれば、解決策がすぐにでてくるというわけではない。それらのスキルが一気に統合できる刺激を、自分の思考の枠外とつなげる必要がある。ワークショップ型の対話が必要になる。あくまで、これはイメージであるが、教科横断型という場合も、この創発思考の在り方に関連するのかもしれない。
☆脳科学やバイオテクノロジーなど科学的学問的な検証は、私の門外漢であるから、できない。あくまでも、生徒の成長の様子と思考コード、思考スキルのデータを重ね合わせてみて、こんなイメージが描けるのではないかということにすぎない。
☆経験を疑似科学的に可視化しようという試みにすぎないのだが、たしかになかなか伸びなかった生徒が累積思考を豊かにしていくようになるのを見たり、創発思考が発揮されるようになる生徒に出会うこともしばしば。というわけで、多くの生徒がそうなる方法の探究もあってよいだろう。
 

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