【C軸思考問題】 思考コード分析でわかるコト② 2つの識別値とZPD
☆前回のつづき。2018年4月15日に実施した首都圏模試センター「統一合判」の【算数】の結果を思考コード別平均正答率×偏差値レンジの分析結果(情報提供:首都圏模試センター)の表に「識別値α」と「識別値ω」の線などを書き込んでみた。
☆「識別値α」は、偏差値50から55の生徒は、A1思考は80%ぐらい、A2思考は50%くらい、B1思考は30%くらいできているということを示している。偏差値を上げたいと思えば、A2思考やB2思考をもう少しトレーニングをすればよいわけだ。
☆で、どうやって?これは、グラフの線が、前回も述べた通り、ある程度のところまでは、比例に近い線を描いている。これは、思考スキルを意識する度合いが高いか低いかだから、対話しながら、確認しやすい。つまり、生徒1人ひとりの最近接発達領域(ZPD:Zone of Proximal Development)は、学び合いの中で発見しやすいわけだ。
☆一方「識別ω」では、偏差値の高い生徒に立ちはだかる壁が現れてくるから、一般の生徒同士が学び合ってもその壁が現れてくるとは限らない。この識別値ω地点での最近接発達領域は発見しにくい。それゆえ、ある点で急カーブの右肩上がりになっている。
☆「識別値ω」でようやく最近接発達領域に気づく生徒は、「識別値α」あたりでは、思考スキルはすでに暗黙知で自動的に活用できてしまっている。
☆「識別値α」地点で、先に進もうとしている生徒は、思考スキルを一度可視化して暗黙知化するトレーニングが必要になる。そうすれば、そのような生徒もやがて「識別値ω」の壁を見ることができる。
☆そのときに必要な思考スキルは一体何か。それは「置き換え」の連続関係を見通すスキルだというコトにやがて気づくだろう。図でいえば、統合×転換×時間のことを示唆している。
☆いずれにしても、以上のようなことが明らかになれば、今まで、闇雲にトレーニングして、それでもなかなか先に進めなかった生徒のうち30%くらいは、最近接発達領域をクリアできるようになるはずである。
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