【C軸思考問題】思考コード・思考スキル・発想スキル
☆中学受験生は、偏差値50から55の生徒で、あと偏差値5アップするにはというのがテーマ。4月になってからの模擬テストの結果や解答を素材に、各教科振り返りを行いながら、対話をしていった。
☆各教科、この問題ができれば、ステップアップできるという実感を抱くために、その場で解いてもらうこともした。そして、説明をしてもらった。
☆そのときに、どんな視点で考えていったか思考スキルをたずねると、これがいい線いくのである。計算問題でも正答率が低いものがあるが、それを正解するにはそうすればよいのか気づきを生徒は語る。
☆ちゃんと小数を分数に「置き換える」というスキルを語るわけだ。でも「置き換える」という意識を解く前にもって解いているわけではない。「置き換える」という思考スキルを意識するコトで、あっ、これも、こっちもだということになる。
☆二酸化炭素の性質を調べる実験の問題は、正答率が30%くらいで、思考っコードはB1。具体と抽象の関係で、どのように抽出するかについて対話した。酸素と二酸化炭素を比較してみようかと語るので、「比較」は大切な思考スキルだよというと、それも意識するのですねと。
☆そして、液体とか気体とか固体とか、要するに物質の違いを知るにはどんな視点があるのか対話もした。五感という視点がでてきた。これで、今後観察という行為を、はじめから意識してできる。
☆社会では、貿易と人口の問題について出題されていたので、日本の人口問題とそれがどう貿易に関係するのか対話した。因果関係の連鎖を対話していった。「理由」という思考スキルを意識すると、そこから糸口が見えてくるなあとか気づきが生まれてきた。
☆国語は、実際にある学校の入試問題を解いた。4問しかなく、選択肢と記述だったので、短時間で思考コード・思考スキルのトレーニングができる。
☆もっとも、超難問。文章をどう読んでいるのか、互いにモニタリングしながら、進めた。そこで、わかったことは、思考スキルを意識しないで、読みながらこれは理由かな、反対の関係なのかなとそのつど意識するということがわかった。だから、見逃すところも多い。
☆あとは、問いが比較や具体と抽象の関係、因果関係を問うてくるので、それに身を任せていた。そこで、あらかじめ、問われている思考スキルで、文章の全体を俯瞰しようと思って読んでみることにした。生徒自身ホワイトボードに図も書きながら読んでみた。なかなかいい比較の図が描けた。
☆やはり、学びにはホワイトボードがあると思考を促進しイメージを膨らませる。やはり自宅にもホワイトボードはあるそうである。そんな感じで、かなり理解の深まりがスピード感をもってできるという実感を抱けたようだった。
☆今回出遭った生徒は、今は偏差値55くらいだけれど、これだけ対話ができれば、おそらくもっと伸びていくだろうと思う。テキストも持ってきていたので、理科や社会は、開いたページの読み方についても対話ししてみた。
☆グラフや図、写真があったので、どこに気を付けて読み取る?と聞いていみると、最初は見ているだけだったが、思考スキルを活用することによって、見る視点に気づいていった。相当潜在能力がある生徒だなと感じた。
☆やはり、偏差値の背景に隠れている潜在的能力を見出すには、最近接発達領域が見えてくる対話が必要だと確信した。
☆そうそう、二酸化炭素の実験で推理する問題を考えたときに、二酸化炭素が赤色だったとして、二酸化炭素はどんな動きになっているかイメージできるかいと聞いた。すると、そこから一気呵成にいろいろ説明してくれた。
☆このとき、結局中学受験の一般入試は、思考コードのA軸、B軸しか活用しないけれど、C軸思考を鍛えておけば、応用がきくと感じた。そして、この点については、鈴木さんとIBジャパニーズの評価の違いについて対話した時に明快になった。
☆IBジャパニーズは、ある意味文学作品のアナリーゼを行うのだが、最高レンジが7をとれるのか6でとどまるかのその評価の違いは、結局C軸思考ができるかどうかということになった。実際に鈴木さんが指導している幾人かの生徒の昔の回答をいっしょに分析してみた。
☆思考コードのC3の領域でアナリーゼしている生徒は、思考スキルのみならず、発想スキルを持っているというコトに改めて気づいた。発想スキルは、今のところ8つくらいあると思う。ルビンの壺、エッシャーの滝、デュシャンの泉などがある。
☆鈴木さんによると、IBジャパニーズでレンジ7をゲットした生徒のその後の海外大学進路先がすさまじいということだ。結局C軸思考によって、潜在的才能を伸ばす対話は、極めて重要である。中学入試も、そのような機会として活用したい。
☆さて、発想スキルを、今後生徒の回答や対話を通して採集していく必要があるなあと思っている。7月から東大や早稲田、上智などの帰国生入試を受験する生徒とのチュータリングやワークショップが少しあるが、また潜在的能力を見出すことができる機会となるだろう。今年もワクワクしてきた。
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