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【対話】ファシリテーターの重要な役割①

☆5月27日(日)、富士見丘学園でプレ「グローバル教育カウンシル」を実施するにあたって、多くの先生方、そして工学院の生徒とディスカッションをしてきた。このホンマノオトでも、述べてきた通りであるが、当日ファシリテーターをその先生方と生徒のみなさんといっしょにやるためである。
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(工学院の高1生と高2生は、その都度対話しながらファシリテーターを遂行していった。英語と日本語の両方で。)
☆準備段階で、まず「世界を変える学び」について、ポストイットを使いながら、工学院の生徒5人のみなさんとディスカッションしてプロトタイプを創った。特にどういうディスカッションにするとか、ファシリテータをやってもらいたいとかは言わずに、ディスカッションのプロトタイプを創る協力を、今回ファシリテーターの役割も行ってくれた石坂先生(高2のインタークラスの担任・英語教諭)を通して依頼していた。
☆自然な形で、ディスカッションは始まり、最後は、学びのプロセスのフローチャートまでできた。かなりメタ的な視点でディスカッションすることができる生徒のみなさんで、思った通りだった。
☆このインタークラスの生徒の授業はPBLスタイルで、ディスカッションは当たり前だし、英語で哲学授業もやっているから、メタ認知の視点で問えるし、パラフレーズで置き換える発想もトレーニングされている、要約やエッセイを書くのも得意である。
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☆準備段階では、ファシリテーターは私がやってみた。そして、問いは、ポストイット3色で収まるようにとあたりをつけていた程度で、生徒と会ってから投げようと思っていた。結局は、3つくらい増えてしまったが、それは、工学院の生徒がジャンプする姿勢を表出したので、その足場作りの問いを考えざるを得なったということだ。
☆足場づくりの問いとして、オックスフォード大学の口頭試問で出題されたという有名な問い「カタツムリは意識がある?」を生徒たち自身がデザインした学びを検証するために活用してみた。この問いにこんなに知的に楽しめるのかと驚いた体験は忘れられない。
☆かくしてプロトタイプはできあがった。予め用意していた問いはない(もちろんテーマは決まっていたのだが)から、その場で生徒が考え巡らせる問いが自然と生まれてくるのを待ったわけだ。
☆もちろん、イントロワークショップが私のスタイルだから、考え込むことなく、自然に出てきてしまうのだが、もし外れたら、ディスカッションは停滞し始める。停滞するか活性化するかの見極めのポイントはどこにあるかは、今のところ課題だ。
☆それは、ともあれ、今回大事なことは、問いを生徒といっしょに生み出したことだ。これによって、生徒はファシリテーターができると確信した。
☆予め誰かが考えた問いを使ってファシリテーターをやるとすると、予習をしなければならない。しかし、そんな余裕は、高校生にはない。超忙しいし、5月は定期テストの月である。
☆そんな中の出来事である。本当に感謝しているし、すばらしいと感動した。とにかく、ファシリテーターは、じっくり考えることも重要であるが、むしろ、今ここで、瞬間的な問いを生成する力が肝である。もっとも、自然とその場に生まれる感覚なのだが。
☆生徒は、当日、自分たちが生み出した問いを英語に一度変換するから、さらに問いの意味を吟味する対話を深めなくてはならなかった。メタ認知思考がフル回転していたに違いない。
☆いずれにしても、ファシリテーターの役割のポイントの1つは、時間スキルなのである。物理的時間を精神的時間に変換し、“How does a moment last forever?”の自問自答の連続を楽しめることが必要だ。
☆今回生徒とこの時間スキルを共有共感できた。プロトタイプを作成協力してくれた5人の生徒、当日ファシリテーターの協力をしてくれた生徒の皆さんに、そして、生徒のみなさんをあたたかい眼差しで見守りつづけてくださった石坂先生に心から感謝申し上げる。多くの気づきをありがとうございました。

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