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【対話】ファシリテーターの重要な役割③

☆プレ「グローバル教育カウンシル」では、「世界を変える思考力」をテーマにディスカッションワークショップを行う教師セクションも実施した。ファシリテーターは、内田先生(聖学院)、本橋先生(聖学院)、田代先生(静岡聖光学院)。
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(5月27日プレ「グローバル教育カウンシル」におけるワークショップのシーン。)
☆この分科会では、実際に聖学院で実施した思考力入試をアレンジしたものをmatterとして活用。生徒と同じ目線で考えるところから始まった。
☆実はこれも「世界を変える学び」のディスカッションワークショップと同じ仕掛けだった。もちろん、「思考力」のほうは、中学受験生、「学び」のほうは高校生の目線という違いはある。ただ、教師の目線から出発するのではなく、生徒の目線を追体験するという仕掛けは共通していた。
☆これは、教師にとって当たり前の問いでも、生徒にとっては壁であることも多く。なんでそこができないのかというのではなく、生徒の目線で、クリアする最近接発達領域を共有するところから始めたかったのである。そこにこそ、学びや思考のヒントがあるはずではないかと。
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(内田先生、本橋先生、田代先生は、リアルミーティングもSNSミーティングもたくさんの対話をした。)
☆そして、その生徒の思考の状態をメタ認知的な視点でモニタリングするディスカッションとして、レゴやリフレクションカードという学びのツールを活用するというのが、3人の先生方のアイデアだった。
☆思考の可視化をするには、このような学びのツールが欠かせない。このツールをどのタイミングでどう活用するかは、ファシリテーターの大切な役割であるが、実は学びのツールは思考の補助輪でもあるから、それを最終的には外す必要がある。
☆それには、思考力入試のワークシート、レゴ、リフレクションシートを活用した一連のアクション全体をリフレクションすることが肝になる。
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(聖学院の学びの研究会でも、リフレクションシートを活用。その活用方法と意味のシェアが行わrている。)
☆学びのツールは、それ自体その都度リアリスティックアプローチのリフレクションが起こっている。だから、「世界を変える学び」のセクションのように、その都度ファシリテーターが問いという学びのツールを投げる必要がない。
☆つまり、脱スキルの部分が多いから、多くの教師にとって有益なのである。この「世界を変える思考」のセクションは、今中学入試で起こっている新タイプ入試の創り方のシェアも兼ねていたので、学びのツールを活用すれば、一定の水準をクリアできるという体験を共有することが大事なのであった。
☆この点は、聖学院の先生方は元祖思考力入試の創り手であるから、この辺りの手ごたえというものを熟知されている。また、静岡聖光学院の田代先生も、来春の思考力入試の実現に向けて学内で研修を行っているリーダーであるから、ファシリテーターの間の阿吽の呼吸がすばらしかった。
☆とにも、そのようなリアリスティックリフレクションの連続のあと、そのリフレクションをリフレクションするというメタ認知の問いをファイナルクエスチョンとして投げかけることがポイントだということになった。それがプレゼン準備という場だった。
☆というのも、これらの学びのツールは、とにかくおもしろいので、楽しくなる。すると、補助輪であることを忘れ、学びのツールを活用することが最大の目的になることはままあることである。つまり、ずっと補助輪を受けたままの状況になる。
☆一般のセミナーや研修では、学びのツールの使い方そのものの体得がゴールになるから、内蔵秩序から思考の可視化を生成する媒介項(mediation)としての学びのツールの役割を忘却する。そのとき、内蔵秩序の大切な潜在的な可能性は切り捨てられ、学びのツールだけが独り歩きし始める。
☆ここでも、「世界を変える学び」のセクション同様、内蔵秩序と顕前秩序の結びつきに気づくなんらかの仕掛けをファシリテートすることが求められる。
☆レゴにしても、リフレクションシートにしても、その活用方法とその意味についてしっかりと研修を受けたファシリテーターでないと、その学びのツールのパワーに引きずられてしまう。
☆それゆえ、今回はそれらの学びのツールの資格をもっている内田先生がスーパーバイザーの役割も果たしたのである。
☆そして、見事に創発型のディスカッションワークショップを生成することができた。田代先生が静岡から何度も聖学院に足を運んだほど、綿密にミーティングが行われ共有された。ワークショップデザインは、実行する以前の準備が相当いる。
☆超多忙な先生方が、空間を超えて対話をし続けたのである。もちろん、SNSでのやりとりもいっぱいあった。3人の先生方のプロフェッショナルな姿勢に脱帽。本当にありがとうございました。

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