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【三田国際の時代】2019年度第1回説明会(3)大橋清貫学園長の新たなビジョン

★昨日23日(土)、三田国際学園中学校(以降「三田国際」)は、第1回学校説明会を実施した。午前、午後の予約がすぐに一杯になり、急遽夕刻の説明会も設置したというから、今年も高人気である。
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★しかし、その人気の理由の性格が今年はだいぶ変わった。その背景には、偏差値が急激に高くなり、かつての渋谷教育学園グループのようになるのではないかという業界の評判がある。また、開成、聖光学院などいわゆる超難関校が、三田国際の存在を意識し始めたというコトもある。
★21世紀型教育を100%実施してきた三田国際において、生徒が研究者たる姿勢で高いモチベーションを燃やして、学究的な知の成果を中高段階で挙げていることに、塾業界ではまだまだ気づいていないにもかかわらず、世界で活躍している保護者だから察知でき、超難関校の経営陣だからこそピンとくるところがあるということだろう。
★もちろん、塾業界も影響力のある団体の経営者の中で、はやくから三田国際の教育の突出した優秀生に気づいているところもある。
★しかし、三田国際は、21世紀型教育実施、共学化、インターナショナルクラスを設置して4年目。中高そろったこのタイミングで、ビジョンをバージョンアップした。ビジョンを変えたわけではない。もともと高校はスーパーイングリッシュコース、スーパーサイエンスコースと設置していたから、グローバルとサイエンスに力を入れるというビジョンは変わっていない。
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★ 世界はインダストリー4.0を急激に押し進め、世界の都市化の流れがスマートシティ化を加速させている。同時に少子高齢化により、この新しい世界を実現するために、AIの進化とそれを生み出す高度人材が求められるようになった。
★この高度人材は、リベラルアーツとプログラミングベースのコンピテンシーを必要とする。2020年の大学入試改革もそれに伴う学習指導要領改訂もそこをなんとかしようというのが本意だろうが、いまだに文系理系という20世紀社会を支えてきた人材育成観を脱却することができない。これでは、政府の描いたプランは画餅になる。
★もともと大橋清貫学園長は、21世紀型教育においては、文系理系の区別なく、リベラルアーツとプログラミング的思考は基礎的な知であると考えているから、文系理系というより、国際政治経済的領域を支えるプロフェッショナルな人材と世界や宇宙、人間を進化させる領域を支えるプロフェッショナルな人材という、キャリアプランを考えているだろう。
★その2つの領域は、文系的な発想も理系的な発想も両方必要である。だから、グローバル=文系、サイエンス=理系という発想ではない。グローバル=国際政治経済領域、サイエンス=世界と宇宙と人間を進化させる領域というビジョンなのである。
★そして、それをよりはっきり表現したのが、本科クラス、インターナショナルクラス、メディカルサイエンステクノロジークラスという中学の3つのカテゴリーのクラスの設定である。
★大橋清貫学園長の発想の重要なところは、文系理系という進路先のクラス設定ではなく、生徒1人ひとりのキャリアプランにダイレクトに寄り添ったクラス分けをしているところだ。
★だから、まだどのプロフェッショナル人材になるのか決めかねている生徒にとって本科クラスというのは極まりなく重要なのである。
★決めかねているというより、国際政治経済の領域も宇宙や世界や人間の進化の領域も両方カバーしたいという、ダ・ダヴィンチのような人材が自らの才能を限定されない新しいクラスが本科クラスなのである。文系だから理系だから、数学や理科は勉強しないという状況をつくってきた、生徒のキャリアを誘導する文系理系というカテゴリーは、プロクルーステースのベッドさながらなのである。
★というわけで、今回の説明会で、大橋清貫学園長は、本科クラス、インターナショナルクラス、メディカルサイエンステクノロジークラスという新しいクラス設定をして、グローバルとサイエンスの21世紀型教育ビジョンをバージョンアップすることを高らかに宣言した。
★これによって、文系、理系の枠組みをまだ脱却できない先に挙げたような超難関校は、三田国際が大きく先に行くことを無視できなくなってしまった。そして、超難関校を目指してきた保護者の中には、大橋清貫学園長のビジョンに共感する保護者が、実はたくさんいる。渋谷教育学園グループ、開成、聖光学院、桜蔭などを選ぶのか、三田国際を選ぶのか、that is the questionというわけである。
★このシェークスピアの言葉は、近代の闇と光の相克を超えようとする意志を表現している。超難関校もそこを目指してきた受験生・保護者も、この意志を抱く大きな転機に立たされているのだ。

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